*** 子育ち12章 ***
 

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「第 54-07 章」


『子育ちは 行い正す 義を目指し』


■子育ち12活力■

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『子育ち第7活力』

【正義を主張できる:利害調整】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。

《正義を主張できる》
 いじめが引き起こす人の死には,三つのケースがあります。いじめられて自殺するケース,いじめられる側がいじめる側に殺されるケース,いじめられる側が反撃していじめる側を殺すケースです。第4のケースも想定することができます。それは,いじめた側が自分のやったことを反省して自殺するというケースです。このケースは皆無です。つまり,いじめは罪悪感を持ちにくくて,内省の契機にはならないということです。いじめをする側はノーブレーキで暴走するという恐ろしさがあります。
 「いじめられる側にもそれなりの理由が」という考え方を聞くことがあります。そうした人はいない方が良いという価値観,いじめられて当然という判断を生み出す危険があります。そういう雰囲気の中では,子どもも罪悪感を感じにくくなります。どのように考えることが正義であるのか,子どもが正義を主張できるように,周りの大人が正義を見せてやらなければなりません。正義が見えることによって,いじめた側が悔やむような価値観が身についていくはずです。あなたの子どもがいじめっ子にならないために!

《利害調整》
 大人になるというのは,心が広い人になることです。心が広い人とは,世の中で絶対というものがあり得ないことを知っている人です。自分の心にも絶対はないし,相手の気持ちにも絶対はないと考えることができる人です。絶対に正しいものはない,すべては相対的で流れて行くものであるといえば,いい加減なことのように思われますが,何かことある毎に言われてきた真実です。今正しいと思っていても,明日には間違っていることもある,歴史が証明しているといえば大げさですが,大事な経験則です。
 つまり,「絶対に正しい」と思い込んだ瞬間に,人の心は狭くなってしまいます。もしかしたら相手の言っていることが正しいのではないか,そういう受入れの余地を心に残すことによって,自らの心の広さを実感することができます。子どもが絶対という思いを突きつけてきたとき,大人が絶対という気持ちで跳ね返してばかりいると,お互いに心が痛みます。ここまでは受入れ,ここからは受け入れない,そういう調整をお互いがするようにすれば,絶対という硬直した心を解き放つような育ちが進んでいくでしょう。



 「あなた,なぜなぜ,私を捨てた?」。夢追い酒という歌謡の一節です。振られた女の嘆きでしょうか。この歌詞を作詞した方は,ある日,原っぱに山積みの,まだ使えそうな大型ゴミを見たことに触発されて書き上げたと語っておられました。発端は,大型ゴミの嘆きであったのです。夢を追い払ってしまう話ですが,無駄を生み出す暮らしが豊かさであるという思い込みに気付かされます。残さない,無駄を省いた分は,無言のドウゾという気持ちとともに,誰かに届くことでしょう。

★落書き★

 父親のひげは,ほおずりされるとチクチクするので,子どもは嫌がります。ところで,ひげは気温の高い方がよく伸びます。また,少食で栄養の足りない方がよく伸びるそうです。栄養状態がよくて太っている人でひげをたくわえている人は少ないようです。また運動をしないで部屋に閉じこもっていると,ひげに栄養が回って伸びるということです。無精ひげという言い方がありますが,案外と的を射ているようです。


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