*** 子育ち12章 ***
 

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「第 54-08 章」


『子育ちは 役割果たす 思い得て』


■子育ち12活力■

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『子育ち第8活力』

【社会に貢献できる:役割把握】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。

《社会に貢献できる》
 子どもは子どものペースで生活をしていて,家庭生活をしていないかもしれません。それでも,家事手伝いの効用を見直したいものです。買い物をして調理をして配膳するまでの間のお手伝いは,自分の食べたいという欲求に添うものですから,子どもは納得しやすいでしょう。食事の後の片付けは,自分にはなんのメリットもなく面倒なことなので,したくありません。どうして私がしなければならないのかという理由を求めます。後始末をさせないままだと,自分のことしか考えない習性が育ちます。
 後始末は,次の生活への準備になります。家族の食事は毎日の繰り返しですから,今日の片付けが明日につながっていきます。仕事はつながっている,そこで段取りや計画性が必要であるという経験が,お手伝いの中に込められています。一つの行為は次につながっているという発想が,最後までやり遂げるという責任感につながり,共に生きていることへの信頼を生みます。若者が言われたことしかしないという指摘は,先を読んで仕事をしていないということです。家庭の暮らしの中で,つながり体験をしていないからです。

《役割把握》
 ある学生がゼミをあまりに休むので家に電話をします。母親が出てきて,「今,息子はアルバイトに行き,夜にしか帰りません」と臆面も無く言い放ちます。大学生のアルバイトはゼミに優先するものという考え違いがあります。大学で学ぶチャンスを私物化しています。大学で学ぶ立場にいるということは,学んで社会に生かす義務があるのです。それが不合格になった人を押しのけて合格した者の責任です。ゼミにでないということは,大学で学ぶ椅子という社会資源を無駄にしている無責任です。自分の役割の放棄です。
 教室で子どもたちが掃除をしています。掃除をしている子ども,していない子どもがいます。納得してしている子ども,教師の目が恐いから仕方なくしている子ども,全くする気がなくてしない子ども,納得していてもしない振りをしないと仲間外れになるからしていない子ども,外見からは区別がつきません。自分の役割を自分勝手に拒否したり放棄したりしても構わないという経験を重ねると,身についてしまいます。自分の役割,社会的な立場を弁えた行動ができなければ,生きていく世間を自ら狭めていくことになります。



 朝出掛けるときに,空を仰いで,天気観望をしませんか。今日の雲の動きはテレビで見る衛星からの雲の映像であり,自分の頭上の雲は見ないようになっていませんか。天気は西から変わっていきますので,西の空に雲があれば天気は下り坂ということになります。日の出を見たことがないという子どもがいます。わが家の東はどちらかということが分かりません。電子機器に頼るだけの生活ではなく,自分の感覚を生かす暮らし方が人の生きる力の源です。

★落書き★

 植物を優しく撫でると,早く花を咲かせるそうです。植物生理学では接触形態形成という現象です。いつも触られていると,植物はそのことが害を及ぼされていることではないかと感知して,開花促進作用のあるエチレンガスを出します。そうして十分に成長しきらないうちに花を付けて,障害を回避しようとするのです。撫でられて気持ちがいいからではなく,警戒して咲き急いでいるのです。迷惑だったのですね。


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