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「第 57-08 章」 |
『子育ちは 心を広く 人を見て』
■子育ち12針路■
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『子育ち第8針路』
【寛容あり】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
《何が育つのか(私たちの育ち)?》
子どもたちの関係はとても脆く頼りないもののようです。いつも一緒にいた友だちが,ある日突然に自分以外の友達と仲良くし始めて,信じられなくなり,不安な気持ちに落ち込んでいきます。どうすればいいのかという,子どもたちからの相談を受けることが多くなっています。子どもの関心は移ろいやすく,それに付随して友達関係も変化をしていきます。置き去りにされた方の子どもは,自分が嫌われていると思い込まされ,そのわけが見つからずに悩むことになります。
人の関係には濃淡があるものです。クラスのように多人数の中では,組合せの多様さが可能なので,付き合い関係は容易に変動するはずです。その変動を受け入れる余裕を持つようにしなければ,人への信頼を保つことが難しくなります。関係を切られたと極端に受け止めてしまうと,友達を信じられなくなります。くっついたり離れたりする関係というものもあります。家族の濃くて切れない関係,いつも一緒にいるような関係,ときどき一緒にいる関係,なんとなくの関係,それぞれの濃淡を弁える寛容さが求められます。
例えば,好きか嫌いかという判定では窮屈になります。好きでもないが嫌いでもないという関係が普通です。同じように,全面的な信頼から,半分の信頼,最低限の信頼と,段階があります。子どもにとっては,仲良しという尺度が使われるでしょうが,誰とでもいつまでも仲良くすることは無理です。仲良くすることに拘ると,仲良しではないから嫌いという風に評価が極端に振れてしまいます。ときどき仲良くすればいいということも知るべきです。
勉強ということに対して,どうせ分からないからと逃げている子どもがいます。分かるように教えてくれないと訴える子どももいます。自分を変えようという発想を持っていません。自分を変えていく,それが成長ということです。できるところまでやってみようという意欲が,育ちを推進する力を引き出します。人はスイッチを入れたら上手く動き出す機械とは違います。鍛錬を積み重ねなければ完成しない精緻な構造物なのです。経験という糧を取り組んで育っていく,日々少しずつ変わっていくのです。
★落書き★
猫は自分から撫でて欲しいと擦り寄ってきます。生まれてすぐに母猫から母乳をもらい,なめてもらって身体をきれいにしてもらって育ちます。そうされることで,母猫に護られていると感じ,安心して大きくなっていきます。大きくなると,飼い主から餌をもらい撫でてもらえるので,気持ちが子猫のままになります。撫でてもらうのはとても気持ちのいいことなのです。手のひらの感触が母猫の舌の愛撫と同じであり,飼い主が母猫がわりなっています。
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