*** 子育ち12章 ***
 

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「第 57-09 章」


『子育ちは 今日のありよう 明日変える』


■子育ち12針路■

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『子育ち第9針路』

【変動あり】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《何故育つのか(私の育ち)?》
 「子どもを不幸にする一番確実な方法は何か? それをあなたは知っているだろうか。それはいつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ」。欲しがるものを与えれば子どもは喜びますが,手に入れるために子どもは何もしていません。欲しいという気持ちが育ちに組み込まれていません。欲しいと思うことと手に入ることとは違うということ,そこに我慢を持ちだして,自分はどうすればよいかと,気持ちの変動をすることが育ちのプロセスに入ることになるのです。

 3人兄妹の真ん中の子が発達障害です。ある日母親が2つのケーキを買ってきて,兄妹に半分ずつ,真ん中の子に1個を与えました。真ん中の子は食べようとしません。母親は気付いて,母親と半分にしました。真ん中の子は喜んで食べました。自分だけが1個というひいきをされたら,食べられなかったのです。知恵が遅れているという見方に固定するのではなく,自由に変動する見方をすることで,子どもの良さを育ててやることができます。

 子どもは可能性を持っており,それを伸ばすことが育ちです。何もできない子どもが,育ちによってできるようになっていきます。昨日の子どもは明日の子どもに変動をしていきます。そして今日の子どもは,自分の可能性に向かう自己変動の活動をしています。人は日々変動しています。子どもの時に思っていた通りの人生を突き通すことはできません。さまざまな紆余曲折があり,それに対処できるように自分を変動させていく,それが育っていくということです。昨日は弱くていい,明日は少し変わっていくから・・・。



 試験をしていて感じることがあります。最近の受験の態度についてのことです。限られた経験でしかありませんが,問題を見ても,手つかずのままに放置して,0点に甘んじている学生が増えているということです。勉強というのは,今できることをして,壁を見つけることがなければ進みません。育ちが変動であるなら,何が変わればいいかという課題を発見しなければ対処しようがありません。変動とは,壁を突破することです。できるところまでは今の力で進んでいく,それが育ちのスタートダッシュなのです。

★落書き★

 犬は飼い主の帰宅を姿の見えない遠くから察知することができます。帰宅すると,門の前で待っているということがあります。犬は匂いと音で感じています。匂いは人間の百万倍から一億倍も嗅ぎ分けることができます。音が聞こえる音域は,人が60〜1万6千ヘルツなのに対して,犬は200〜5万ヘルツであり,高い音がよく聞こえています。人には聞こえない高い音で飼い主の足音を聞き分けています。犬の祖先である狼が,ネズミやウサギの発する高い鳴き声をキャッチするために発達した能力なのです。


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