*** 子育ち12章 ***
 

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「第 57-10 章」


『子育ちは 力見せられ 追いついて』


■子育ち12針路■

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『子育ち第10針路』

【目標あり】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《何故育つのか(私たちの育ち)?》
 休みの日に,今日は何をしようかと考えても何も思いつかなくて,ゲームでもしようかとなっているようなら,育ちは足踏みをしています。子どもも大人もゲームに絡め取られているのは,なかなか勝てない,上がりにならないからです。思い通りにならないから,楽しいのです。もう一人の自分が,自分を思い通りに動かせないことに直面したとき,自分の育ちの楽しみが出てくるはずです。なんとかこの課題ができる自分になりたい,それが目標ありという育ちの意欲になります。

 人が成長の目標に気付くためには,年長者と一緒に活動することが基本です。自分が知らないこと,したことがないこと,それも面白そうなこと,それは同世代の付き合いの中にはありません。一歩育ちの進んだ年長者が無意図的に教えてくれることです。お兄ちゃん,お姉ちゃんのようになりたい,目の前に目標があることで,育ちがごく自然に進んでいきます。同世代の付き合いしかない状況では,育ちの目標は何もありません。何を目指せばいいのか分からない不安が,いじめというはけ口に向かっていきます。

 子どもの周りには,虚像としての課題があふれています。例えば,アニメの主人公たちは過度に有能です。幼いうちは夢見心地で真似をしていますが,幼児になってくると,とても届かないことに気付きます。遠い目標には,子どもは向かう気力を持てずに座り込みます。目標とはできそうなことです。また,幼児が大人と同じようにしようとしても無理なのです。大人目線ではこんなこともできないといいたくなりますが,育ちの目標の設定を過大にしないように留意すべきです。意欲をそぐだけです。



 年長者が目標になるということを言っておきましたが,もう一つ大切なことがあります。それは,年長者が年少者に教えるということです。かつての子ども世界では,目標である年長者が年少者の方に近づいてくれたのです。年下の子の面倒を見る兄姉の役割が,今は見られなくなっています。兄弟の数が少ない現在,社会的なきょうだい関係を構築することが,子育ち環境の整備になります。子どもを育てるのは親だけではありません。子どもが子どもを育てるという発想を見落とさないことが大事です。

★落書き★

 海で生きているサケは,川を遡上して湧き水のあるところまで移動して産卵をします。わざわざそうしているのには,訳があるはずです。淡水は海水に比べて酸素量が多く,湧き水であればさらに豊富なので,卵にはとても都合がよいのだそうです。また,サケが産卵する晩秋には,水温が低くて他の川魚の動きが鈍くなるので,稚魚の敵が少なくて安全なのです。水温が上がる前に,稚魚は海に向かって下っていきます。子どものために親はきちんと対処しているのですね。


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