*** 子育ち12章 ***
 

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「第 58-13 章」


『子育ちは 自分が自分 尊重し』


■子育ち12考察■

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『子育ち第13考察』

【人】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《人とは?》
 御縁があって,SOSミニレターという子どもたちからの相談の手紙に返事を書く機会があります。はじめて出会った寂しい事態にどう対処すればいいのか,戸惑って,一行の悩みを書いてきます。いつ,どこで,だれがどうしたのか,状況がつかめません。例えば,「一緒に遊んでくれません。どうしたらいいですか」と曲がった字が訴えかけてきます。どう答えたものか,状況を読むことに苦労します。拙さは別にして,状況の変化に対する弱さが,とても気になっています。

 ○○してくれない,○○された,という意の通りにならない事態に対する耐性が,弱くなっています。それはよく言われている自尊心の低さの裏返しです。○○してくれなくても平気という落ち着きを保つためには,自尊心が必須です。人が人であるための芯になるのが,自分は自分であればいいという自分に対する確信です。人の思惑に振り回されてばかりでは,自分を見失います。ただ,自尊心を持つためには,まわりにいる親や地域の人の温かな支えが必要になります。

 自尊心を育む方法は,周りによる「無条件の受容」であるといわれます。○○できる子どもをほめ,できない子どもを貶し叱るという子育ては,褒められなければ認められないという,自己否定を怖れさせることです。誰しもできない部分を抱えています。そこを否定されたら,人でないといわれているようなものです。「叱られても嫌われない」という確信を持たせることが肝要です。失敗に対して「ダメでもともと」と励ましても,「あなたはもともとダメなんだから」とは決して言わないようにしましょう。



 性同一性障害という障害があります。身体の性と心・意識の性がすれ違っていて,辛い思いをされています。自分が何者かという人としてのスタンスが定まらないということの苦しみはとても耐えがたいことであろうと想像するしかできません。少しずつ性同一への手立てが社会的に進んでいるようです。自分に対する確信,普段からあまり気にはしていないことですが,大事なことは失われたときに切実に気付かされます。

★落書き★

 いくら注意してもきかない子どもに,匙を投げたことはありませんか? 諦めるときに,何故匙を投げるのでしょう。この匙は医者が薬を調合するときに使った薬匙です。どんないい薬を調合しても治る見込みがない病気と医者が見立て,ついに匙を投げたということです。この医学用語が世間に使われていったのです。賽は投げられたという言葉もありますので,使い間違えないようにして下さい。

 季節の変わり目に合わせて,子育て羅針盤は版を改めます。新春版は今号で終わります。次号からは,第59版に代わります。スタイルはこの版を踏襲して続けていくつもりです。もし御要望がありましたら,できることはお応えしますので,下記アドレス宛にご連絡ください。来週から新学期です。ボランティアで下校の見守りをしているときの仲良しの双子ちゃんは中学生になりました。子どもたちが育っていきますが,この羅針盤は育っているのかな?


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