*** 子育ち12章 ***
 

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「第 59-02 章」


『子育ちは 我も他もよし 願いつつ』


■子育ち12省察■

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『子育ち第2省察』

【他】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《他とは?》
 物事がきっちりとならないとき,ガタピシすると言うことがあります。このガタピシとは? 我他彼此であるといわれていて,我と他人,彼岸と此岸(あの世とこの世),これらの二つの世界は複雑な関わりできちんとはならないという意味合いが説かれます。我と他は,別の人格であることから,同じとはならず,さまざまなすれ違いに直面します。我は遊びたいのに,他は眠りたい,無理を通せば,ガタピシします。そのガタピシを経験して初めて,他人に対する存在としての我をもう一人の自分が認識できるようになります。

 きょうだい三人の場合,下のきょうだいがけんかをすると,上の子が仲直りをさせようとします。二人の仲を取り持つ経験をすることで,上のもう一人の子は我と他を仲直りさせることを覚えていきます。きょうだいに限らず,子ども集団における社会的な自他の関係の在り方は,3人以上の環境で学習されることになります。気をつけておくことは,同年齢の集団では仲直りをさせるという年上というような立場が成立しないので,もう一人の自分の社会性は登場できずに育たないということです。学校では無理ということです。

 思いやりのある子どもに育ってほしい,それが親の願いです。思いをやるとは,誰が誰の思いを誰にやるのでしょうか? もう一人の自分が我の思いを他にやるという関係です。思いやりは,もう一人の子どもが育っていないと,できないことなのです。我が嫌だなと思うことは他も嫌だと思うはずと,もう一人の自分が認識して行動を制御するから,思いやり行動ができます。我がうれしいから他もうれしいだろうという思いやり行動も同じパターンです。我もよし,他もよし,それができるもう一人の子どもを育てましょう。



 殺人事件の被害者と加害者の関係で,親族である割合が過半数を超えているという報道に驚いています。親殺し,子殺し,夫婦間殺人が半数以上というのです。親族,家族というのは最も安心できる関係であると言えなくなってきたのです。核家族という形態では人間関係の成長ができないということなのかもしれません。高齢の親の財産を搾取する子ども,子どもに無理を押しつけて追い詰める親,我利の愛で奪い合う夫婦,そういう事例が普通になってきたのでしょうか? 家族という機能の喪失では,明日はありません。

★落書き★

 風邪を引いたとき,大汗をかくと快方に向かうという経験をします。ウイルスとの戦いに身体が勝ったからです。ウイルスは熱に弱いので,体温が高くなると増殖できなくなり,やがて撃退されます。ところで,撃退後は体温を下げないと,人の細胞も熱で弱ってくるので,大急ぎで皮膚表面の血管を開いて,汗をかくことによって放熱しようとしているのです。熱が出るのは,ウイルスに対抗する身体の防御機能です。あわてて解熱しようとせずに,医師の診察を受けましょう。


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