*** 子育ち12章 ***
 

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「第 59-09 章」


『子育ちは できる自分を よろこんで』


■子育ち12省察■

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『子育ち第9省察』

【快】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《快とは?》
 食べたいと思っていたものを食べたら心地よい満足感があります。したいことを実際にすることができたらやったという達成感があります。そういう感じとは違う大切なものがあります。機能快と呼ばれるものです。幼児が意味もなく走り回ります。走るという機能を使うことに快感があるからです。声を出す機能を使うと心地よいので,歌います。手を使って字を書くことができる,それが快感になります。五感を使い五体を使うことが快感であるから,子どもは育ち,人は生きているのです。

 じっとしてぼんやりしていると,何かしたくなります。機能を発揮したいのです。じっとしていられない,動いているから動物であり,人も動物なのです。何故人は山に登るか?という問に,そこに山が在るからと答えられます。本当は,人は登るという行為を通じて自分の持っている機能を発揮する快感を味わいたいのです。外で体をいっぱいに使って遊んでいた昔の子どもは,あらゆる種類の機能快を味わっていました。それに引き替え,今時の子は指先と目だけを使う片寄った機能快に耽溺しているようです。

 勉強しなければいけないからしているのではなく,理解する機能を使えて心地よいから勉強するのです。ところで,そこにちょっとした時間差があります。はじめからいきなり勉強が心地よくはなりません。しばらくはなんともないか苦痛を感じるはずです。その不快さを我慢することによって,理解する快感が目を覚ますことができます。冬の寒さがあるから春に花が咲くのと同じです。しばらくの辛抱ができなければ機能快に目覚めることはできません。育ちは眠っている機能を解放させる根気によって進んでいきます。



 母は強しといわれてきました。女ではなく母であるところに意味があります。母とは子どものいる女です。保護者である母は,子どもを守るという機能快を発揮するから,強く生きることができるのです。守る人がいると,人は強くなります。独身者より家族持ちの方が強く生きようとしていました。虐待やストーカーやオレオレ詐欺などの事件を聞いていると,そうではない,機能快に目覚めることができなかった人もいるようです。人を愛する,そういう社会的な機能快の極致を人は目覚めさせることができるのです。

★落書き★

 小川にいるザリガニはほとんどがアメリカザリガニです。外国から入ってきた帰化動物が在来種を追い払って蔓延るのはどうしてでしょう? 帰化動物の生命力が強いということですが,一方で在来種が島国で生きてきたために原始的で進化せずに弱いということが考えられます。アメリカザリガニはウシガエルのエサとして神奈川県に200匹が送られ,無事についたのは20匹,その中の数匹が逃げ出して,今では西日本中に蔓延っています。帰化動物は厳しい環境に生きる機能を強くされて進化しているのです。


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