*** 子育ち12章 ***
 

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「第 59-11 章」


『子育ちは 思いに反し 歩むこと』


■子育ち12省察■

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『子育ち第11省察』

【反】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《反とは?》
 反という字は,あべこべ,ひっくり返す,もどすなどの意味があります。想定されていることと逆のことを示す字です。物事には反対のことがあるということです。世の中には期待に反することがあるという経験が思い出されます。成功があれば反対の失敗もあります。そこでプロセスを戻して考えることを反省といいます。反省をできる人が成長の扉を通り抜けていくことができます。成長点である失敗の分かれ目に自分を戻さなければ,やり直せないからです。

 子どもには反抗期があります。最近は,はっきりした反抗期がないという子どもたちもいるようです。手のかからない聞き分けのよい子どもと見えても,内心では反抗していることもあります。そのことをいけないこととは思わないように意識してください。反抗することで成長するのです。親や先生に反抗できる力を持とうとすることで,親を越える育ちの意欲が湧いてきます。さらには,大切な人との違いが許されるとき,個性を尊重できるようになります。

 反復することによって,仕草や行動が確からしさを増していきます。反復練習です。頭で想像してやってみると,どんなことでもできるように思われます。実際に手足を動かしてやってみると,できないことを思い知らされます。勉強にしても,頭ではなく,手で覚えるようにしなければなりません。最近の授業が情報機器を駆使して分かりやすくしているつもりですが,知恵を移し込むことはできても,定着させることができていません。手で反復してつかみ取る,それが基本です。



 前号766号の配信が遅れましたことをお詫びいたします。  実は7日にパソコンが無反応になり,アップロードができなくなりました。なんとかパソコンの入れ替えが済みましたが,遅配となりました。今後は大丈夫と思いますので,よろしくお願いいたします。

 お稽古事,習い事は,お手本の通りに真似をすることです。まねる力が身についたら,自分の工夫を加えなければなりません。師匠に形の上では反抗をすることになります。やがて,お手本と自らの工夫がそれぞれを生かすように融合できるようになったとき,新たなお手本が生まれてきます。日本での茶道,武道,芸術等における師弟関係のあり方の一つである守破離(しゅはり)という発展パターンと同じことが,子育ちにも当てはまります。

★落書き★

 梅雨が明ければ暑い夏になります。暑気に当てられないように,土用の丑の日に栄養価の高いウナギを食べて夏やせを防ぐことはよく知られています。万葉の歌人大伴家持が歌によって「石麿にわれ物申す夏痩せに良しといふ物そ鰻取り食せ」(巻16)と,鰻を勧めています。その蒲焼きの普及に一役買ったのが平賀源内でした。一つの知恵を一部の人だけが利用するのに止めるのではなく,広く知らせる役もまた大切です。


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