*** 子育ち12章 ***
 

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「第 59-12 章」


『子育ちは 昨日に今日を 合計し』


■子育ち12省察■

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『子育ち第12省察』

【合】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《合とは?》
 合という漢字から思いつく言葉に,どんなものがありますか? 集合,会合,配合,合格など。大まかに言えば,合わさって新しいものになるということです。たとえば,いくつかの材料を配分量を考えて合わせる配合により,素材の機能と違った機能を持つ新しい素材が生まれます。育ちの場で言えば,失敗の経験と学びの知識が合わされば,新たな能力の獲得になります。身体の成長には多様な栄養が必須であるように,精神の育ちにもいろんなルートからの合流が必須なのです。

 家庭生活に関わることなく,学校と塾にのみ関わるという生活に偏っていると,限定的な世界に特化した育ちになります。勉強という世界で能力を伸ばし医学部に進学した後,医師として社会に出ると,人との関係が構築できずに枯れていくといった話が聞こえてきます。身近にある暮らしと合う育ちが一番です。合わさないという無理をするから,取り返しがつかないことになります。そばにある人や物事との出合いをきちんと受け止めることが大切です。

 今日の自分と明日の自分の間の違いは,今日一日のすべてを合わせているところにあります。もしも流されていると感じる過ごし方をしていると,今日と明日の自分は何も変わりません。むしろ,一日休みという育ちの後退になります。育ちは日々の合計という意識を持ち続けている子どもが,着実に育ちます。勉強と遊びを合体できる力も子どもしか持てない成長力です。スマホに捕まっていると麻薬中毒によるのと同じ脳の萎縮が起こるそうです。ご破算にして合計をし直すべきです。



 文部科学省が「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を発出しました。成長して性を意識するようになると,違和感を持つ子どもも現れてくるでしょう。カミングアウトできずに悩みを抱き続けてきたという当事者の声を受け止め,早めに育ちの環境の整備を図ろうという配慮です。我が子の気持ちを受け止めてやれるのは親しかいません。親が受け入れて支えになれば,子どもは心置きなく育とうとします。

★落書き★

 旧い世代には,運動会と言えば秋の風物詩でしたが,この頃は春に開かれています。競技を行う際には紅白に分かれます。紅白の対抗戦は,源氏と平家の戦いになぞらえたものです。先に旗を掲げたのは源氏の白旗でした。文字も書ける一般的な旗で,白旗自体に意味はなかったようです。一方で,平家が赤旗を掲げるようになりましたが,意味がありました。赤は貴族の中でも高い位しか身につけることが許されなかったことから,ことさらに赤い旗にしたのです。


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