*** 子育ち12章 ***
 

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「第 61-05 章」


『子育ちは 問を見つけて 考える』


■子育ち12表裏■

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『子育ち第5表裏』

【問】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第61版では,私の育ちの項では表の選択を,私たちの育ちの項では裏の選択を考えてみます。

《問について考える?》
 問題を出します。学生は教科書を見ていいか尋ねます。許可すると,忙しくページをめくります。どこかに答えがあると思っています。問題を解くというのは,どこかにある答えを見つけることだと思っています。問題とは,自分の頭で考えるものです。教科書には,問題を解く道具が載っています。答えは何処にもありません。問題を解くにふさわしい道具は何かを考えなければなりません。勉強するというのは,問題を解く道具の使い方を覚えることなのです。計算の答えを覚えるのではなく,計算の仕方を覚えるのです。

 世間には何かしら不都合な問題があると,問題をあげつらうという風潮があります。どのように解けばいいのかという提案はほとんどありません。自らは考えることを放棄しています。問題を解くのは自分ではなく,その役にある者へと押しつけるだけです。問題意識というのは,自分で考える人だけが備えています。すぐに解決できるような問は,問ではありません。問はじっくりと考えるものです。問とつきあう時間を持つことが,考えるためには必要です。ああでもないこうでもないと,迷いながら問い続ける力が,考える力です。

 自分の問題であれば,人任せにはしないはずです。隣の人の問題も,自分たちの問題とすれば,共に考えることができます。3人寄れば文殊の知恵と,問題解決力は高まります。その一つが会議や話し合いでの協議となります。問題を解決する提案がなされたとき,できない理由を挙げて反対する意見が出てきます。どうすればできるのかを考えなければ,話し合いの意味がありません。なんとかして解決しようとする意志,それがなければ考えることはできません。今できることを考える,それが今生きているということです。



 平成24年度の内閣府による人権擁護に関する世論調査で,「子どもに関し,現在,どのような人権侵害が起きていると思いますか」の問に,「いじめを受けること」が76%と最多でした。保護者であればそうだろうと思います。また,「虐待を受けること」が61%でした。子どもを育てる上で気をつけておくことは,「いじめをしない」ことです。親には我が子が加害者にならないように育てる責任があるのです。いじめを無くしたいと思うのであれば,いじめをする子どもを育ててはいけないということです。

★落書き★

 報道とはニュースを知らせることです。ところで,報が知らせるという意味ですが,道とは何でしょう? 道は普通にはみち(道路)という意味ですが,報道の道は道路のことではありません。道には「言う,述べる」という意味もあります。例えば,「言語道断」というときの道もその意味で,道断とは言うことを断たれるという意味になります。同じように,報道の道も言うことを意味しており,言って知らせるということです。


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