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「第 63-05 章」 |
『子育ちは 言葉を紡ぎ 物語る』
■子育ち12教訓■
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『子育ち第5教訓』
【本を読むこと】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第63版では,遠い国のある祖父が孫たちに語りかけたアドバイスから,教訓として12のメッセージを,子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。
《本を読むこと?》
子どもたちの文字の世界は,とても豊かと言えるでしょうか? メール環境の中にいるとはいえ,文字の使い方はとても幼いものです。ほとんど叫びのような単語が飛び交っているからです。家庭では,「ごはんよ」「は〜い」,「どうだった」「べつに」。「ひんこんて,なんですか」。子どもの貧困を取材していた女性記者が,シングルマザーに問われたと書いていました。生活の貧しさは言葉の貧しさに現れるという先生の話を思い出したそうです。
学生に接していて感じるのは,言葉による説明を聞き取る力が弱いということです。話について来られないのです。講義では,文章をつないで,論理を組み立てていきます。そこで,文章を積み上げる力がないために,ばらばらになっているので,物語として組み立てることができないのです。もう一人の自分は物語を書き続けて生きていきます。日記を書くことができるのは,物語として生きているからです。読書は,人が物語を生きていることを身につける唯一の方法です。多くのジャンルの物語を楽しむことが学びです。
文章をつないでいるときに,次にどのような文章をつなぐことができるか,それがインスピレーションになります。物語の展開は発想によって千差万別です。物事を理解する物語の学びは,新しい物語を生み出す力を育てます。目的に向かう計画という物語を,実現可能なものにする力は,本を読むことによって導かれます。本には成功や失敗についての先人による教えが詰まっています。それを学ばないのはもったいないことです。学ぶとは真似をすること,そこを起点として,新しい道に継いでいく発想が生きる力です。
NTTドコモがスマホ・ケータイ安全教室を開いています。一番の問題はラインであり,文字でのやりとりの特徴として,「短文でのやりとりは言葉が足らず誤解されやすい」「深く考えず暴力的な言葉を書き込んでしまいやすい」「思ったことをそのまま文字にすると,きつい文章になりやすい」「文字として残ることで悪感情を引きずってしまう」ということが指摘されます。大人は子どもの利用状況を把握することが大事になります。
★落書き★
土地の名前は,そこに住んでいる人が付けていきます。漢字であれば,東京が東の京という意味合いであると分かりますが,カタカナは推察できません。ケンタッキーは明日の土地という意味のインディアン語です。オハイオは美しい川,テキサスは友人,ネブラスカは平らな水,マサチューセッツは大きな丘のある所,だそうです。北海道の地名もアイヌの人々が名を付けていた名残があるために,独特ですね。
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