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「第 73-11 章」 |
『子育ちは 自分の力 見つけつつ』
■子育ち12願語■
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『子育ち第11願語』
【見つけたい?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第73版では,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの発露としての願っていることに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと支援の手を伸ばすことができるでしょう。それは一方で,子育てをしている大人には,大人の出過ぎる願いを控えることにつながるはずです。子どもの願いという新たな12の指標盤を楽しんでください。
《見つけたい?》
砂浜を歩いていると,きれいな貝殻が目に入り拾いました。最初は偶然でしたが,その後は他にもあるかもしれないと,見つけようとします。大事なモノが無くなると,懸命に見つけようとします。どこかにあるはずと分かっているからです。知らないモノは無いモノと同じなので,見つけようとはしません。学校の試験は答が必ずあると分かっているので,答を見つけようと努力します。その経験から,何か問題に直面したとき,どこかに答があるかもしれないと信じて,答を見つけようとすることができます。
子どもが育ちに向かう道は,もう一人の自分がなりたい自分を見つけて,どうすればなれるか当面の目標を見つけて,精進をするというものです。遠くの頂に登るためには,目の前にある峠道をトボトボと辿っていくしかありませんが,そこで必要になるのが頂につながっている峠を見つけることです。子育ちは人間としての育ちですので,いわゆる心技体といった総合的な展望から目標を見つけなければなりません。人として生きていく自分を見つけられるように指導が肝要です。
親として,子どもが見つけたいという願いに向かって育つためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。例えば,おもちゃや学習用具が見当たらなくなったとき,すぐに教えたり見つけてやらずに,見つけるヒントを与えて,見つけさせるように導きます。見つけようとすれば見つかるという経験をし,見つかったときの安堵感や喜びなどを味わってもらいます。いろんな局面で湧き出す好奇心は,その対象となる物事を見つけるという能力によって満たされていきます。育ちも好奇心の一つです。
スマホ老眼という危惧があるようです。スマホの画面を長時間見続けて目のピントが調節しにくい状態です。養護教諭の方への調査では,60%がスマホ老眼の児童が増えていると感じています。小学校ではその傾向が強く,93%が子どもの視力が低下していると感じているということです。文部科学省の調査でも,裸眼視力が1.0未満の小中学生の割合は過去最悪を更新しています。子ども向けスマホが普及し利用率も進む中,ネット依存と視力低下のつながりに対応すべきです。
★落書き★
悪さをしたら厳しく折檻されました。幸い母親がフォローをしてくれたので,トラウマにはなることはありませんでした。檻が折れるとは? 檻は手すりのことです。中国で朱雲という人物が皇帝を諫め,かえって怒りを買いました。朱雲は家来の乱暴を受けましたが,手すりにつかまって抵抗,手すりが折れました。そこから強く戒める意味となり,やがて戒めのため,懲らしめる意味になっていきました。昔こういうことがありましたというエピソードを知らないと,言葉の意味が分かりませんね。
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