*** 子育ち12章 ***
 

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「第 74-12 章」


『子育ちは してみたことの 積み重ね』


■子育ち12独語■

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『子育ち第12独語』

【してみよう?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第74版では,第73版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心でつぶやき続けている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いが子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもの自然に発露する独り言という新たな12の指標盤を楽しんでください。

《してみよう?》
 子どもは少しもじっとしていないものという子ども観は,通用しなくなったのでしょうか。スマホを覗いて,指だけをチマチマと動かしています。自由な時間に身体全体を使うことが少なくなっているようです。人の身体は丸ごとが一体的に活動するようにできています。情報処理だけをして頭のその部分だけを働かせてばかりでは,ほかの脳は休業状態に追いやられて縮んでいくだけです。身体全体を機能させるための脳の配線を十分に機能させることで,人は能力を発揮できます。何でもしてみよう,それが育ちです。

 お箸に指を入れる輪を作り付けている代用箸を幼児に使わせている園があるようですが,養護の先生が心配をしています。箸使いを覚える支障になっているというのです。箸を使うには指を微妙に操る必要があります。その操りを指令できる脳の機能を作り上げるためには,訓練という根気の良い訓練が工程になります。してみるという経験の積み重ねです。もし指使いを端折ってしまうと,訓練が抜け落ちた分だけ脳の配線に乱れが組み込まれるかもしれません。経験をさせないという便利さは,育ちの欠けになります。

 親として,子どもが「してみよう」という思いを育ちに組み込んでいけるためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。子どもが何かをしようとしているとき,できるだけ見守って,させるようにすることです。ちょっとしてみてもできなくて諦めようとしたら,少し続けてみるように励まして下さい。もちろん。無理なことは急がずに,予備訓練になるようなことを指導してやることも必要です。今しておくことをきちんとしておくことで,子どもはしておけば良かったと後悔しなくて済みます。



 あるベテランの里親が,問題行動を起こす思春期の子を二つに分類しています。過干渉や過保護で根腐れしている子と,愛情のシャワー不足で根っこが枯れている子。育ちを植物にたとえると,子ども時代は根っこを延ばす時期です。子ども時代に花を咲かせようとしても,それは時期間違いであり,かといって,放置しては花を咲かせる力は蓄えられません。もちろん,暖かな日ざしや恵深い雨に喩えられる地域の環境の育ても欠くことはできません。誰からも見放されることがないように,願います。

★落書き★

 裾は着物の末端にあるため,それほど重要というわけではない。そこから,「僅少」という意味合いが生まれました。さらに,品物を僅少ながら下の者に分け与えることを「裾分け」と言うようになり,これに「お」がつき,「お裾分け」という丁寧な言い方に変わっていきました。丁寧な言い方になって,下の者にという上下の関係が消えて,お互い様という関係になったようです。ただ,今の暮らしの中で,お裾分けという行為は消えていってしまいそうです。我が家では時々あっているようですが。


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