*** 子育ち12章 ***
 

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「第 75-03 章」


『子育ちは 同じ心が 寄り添って』


■子育ち12発心■

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『子育ち第3発心』

【つながろう!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第75版では,第73版,第74版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの最中に心から思わず湧き上がってくる言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる願いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが自然に発露する宣誓という新たな12の指標盤を楽しんでください。

《つながろう!》
 母子の間柄は普通には密着と言われるように,子どもにすれば,母親と一心同体と思い込んでいます。やがて,母子分離を迫られて,自分と母親は違うということを受け入れざるを得なくなります。私という自分意識は人とは違うという認識を生み出します。その次の段階として,違うけど,同じという意識を持つことができるようになります。父親や兄弟姉妹という関係を過ごしていく中で,家族という新たな同じ意識に気がついていきます。家族に限らず,保育の環境でも同じ仲間という気持ちを見つけることができるはずです。

 違うという認識は,孤独感につながることがあります。それだけですと,独りぽっちという感覚に包まれていきます。子どもからの相談の中に,いつも連れ立って登校していた友だちがある日突然に口をきかなくなったというものが,かなりの頻度で現れます。本人は訳が分からないという感じですが,人の付き合いでは良くあることです。特に嫌になったわけではなく,新しい友との付き合いが始まっただけです。その対応として,違ってもいい,私も新しい付き合いを始めればいいのです。

 子どもが「つながろう」という発心を育ちに組み込んでいけるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。学校では,一人一人名前が違うから皆違っている中で,どうすれば同じ仲間になっていくことができるかを学びます。同級生になっていきます。家庭でも,同じ姓の家族として,世代が違っても同じ家に暮らす者同士として,助け合いという具体的行動を通して,同じ者意識を見つけ出せる能力を培っていけるように導いてやらなければなりません。



 卒園式に来賓として出席した教頭が園児に呼びかけたそうです。チューリップの球根を取り出して,「みなさんは保育園でたっぷりと栄養をもらった球根です。小学校でぐんぐん芽を伸ばしましょう」と語りかけました。子どもの育ちを植物の生長に重ね合わせることはよくあることです。問題行動を起こす思春期の子どもは,過干渉や過保護で根腐れしている子と,愛情のシャワー不足で根っこが枯れている子に分けられると話す里親さんもいます。日ざしや豊かな雨となる地域も育てます。

★落書き★

 驚く様子をたまげると言います。「たま」は魂で生物の体内に宿り,心の動きを司ると考えられているものです。「げる」は「消える」が縮められたもので,「たまげる」は魂が消えるかと感じるほど驚いたという意味になります。江戸時代から使われたと考えられています。魂という言葉は今はほとんど会話に出てきませんが,心の動きをヤバいというしかない現状は,情報社会の中でより豊かな表現になっていると言えるのでしょうか。


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