*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-08 章」


『子育ちは アリガトウより ドウゾ先』


■子育ち12動心■

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『子育ち第8動心』

【他を助ける!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《他を助ける!》
 子どもに備わって欲しい資質として,思いやりというものがあります。人の温もりは社会人として必要なものです。その元になる行為が他を助けることです。人命救助といった大げさなことではなく,周りの人との協力を惜しまないということです。できることは手伝おうという前向きな気持ちを発揮できることです。さらに留意しておくことは,後ろ向きな気持ちは持たないことです。手伝うから何かをよこせという見返りを求めないことです。思いやりとは,思いをやってしまうということだからです。

 社会の公平性は,個人の立場ではWIN・WINの関係を保つことで実現されます。損得が五分五分になることです。かつての物々交換の時代,他人にとってためになるものを出し合って,お互いが納得できれば交換します。その際,自分の方が少し得してると思うと,その分だけ何かによって返して,五分五分という釣り合いを保っていました。それが今も支払いで行われている「お釣り」です。自分のできる範囲で他を助けようという行為によって,社会生活が成り立っています。それができるとき,社会人になることができます。

 子どもが「他を助ける」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。他を助ける基本は,ドウゾ手を貸しましょう,と支援を与える,ギブすることです。助けてもらった方はアリガトウと感謝します。ドウゾと先にギブするから,アリガトウと感謝で完結します。駄賃を先にアリガトウと受け取って後でドウゾと手伝うというのは逆順です。アリガトウしか教えなかったら,ねだるだけの困った子になります.ドウゾを先に言えるようにするには,親がアリガトウを言うように振る舞うことです。



 新聞の子ども欄に掲載されていた相談の事例です。母親が小4女児の漢字練習帳を覗いたら,「殺す」という字がびっしりと書かれていて,驚くと同時に心配になったというものです。字は丁寧に書かれており,先生の赤丸もついていたということです。確認すると,試験で書けなかった漢字を復習として練習したものということでした。相談のコメントは,不安になったら誰かに相談するのでなく,親として子どもに向き合い穏やかに話を聞くことが勧められていました。親が寄り添っていなければ,子どもは不安になります。

★落書き★

 PTAの懇親会が宴もたけなわになると,お開きになります。かつて武士が戦の折に,退却するとか退陣するという意味でお開きと言っていました。近世になって,帰るという意味が加わって,宴会や会合などを閉会するときに使われるようになりました。「終わり」という直接的な言い方を避ける意味合いが強く意図されています。普通には,開くというと始まりの意味になりますが,そのままに受け入れると,宴会の終わりは,次の予定の始まりにつながるということになります。終わるのは嫌なのでしょうか?


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