*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-09 章」


『子育ちは よくなる明日へ 一歩ずつ』


■子育ち12動心■

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『子育ち第9動心』

【自らを励ます!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《自らを励ます!》
 子どもが大人しく遊んでいると思っていると,いきなり怒りだしてわめくことがあります。何かをしようとしてうまくいかないときにヒステリーをおこします。自分の不甲斐なさが悔しいのです。その悔しさを発端に溢れるエネルギーを,ただわめくだけに消費するのではなく,有効に使うようにしたいものです。まずは不甲斐ない自分を今の自分であると受け止めるために落ち着くことです。もう一人の自分は何でもできると思うことができますが,実際の自分はできないことがたくさんあります。そのギャップをありのままに受け入れます。

 今日の自分はできない自分だけど,明日の自分はできる自分になっていると思うことが,生きている実感です。そのことに気付く機会として,年下の子どもとの交流があります。かつてのできない自分が年下の子としてそこにいて,できる自分が今ここにいるからです。今までの自分の成長が見えると,これからの自分の成長も実感として認識できます。できる自分になることができると思う,それが自分を励ますことになります。急には無理だけど少しずつ成長していくはずだと,もう一人の自分が自分に言い聞かせることが励ましです。

 子どもが「自らを励ます」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。大切なことは,今の子どもの状況を認めることです。例えば,試験で満点ではなく60点であったとき,ダメと子どもの今を否定せずに,60点を認めてやります。そこで,できなかった40点分を取れるように必ずやり直させることです。60点から70点を目指すようにしよう,それが励ますということです。次の一歩に踏み出そうという前向きの気持ちを子どもが持つ,それが自らを励ますことです。



 子どもは呑気でいいと思ったりしませんか。子どもは子どもなりに色々と悩ましいことにぶつかります。嫌だな,困ったな,悲しいなといった気持ちを抱え込みます。思い余って,「ねえ,お母さん」と訴えてきます。親は問題を解決するために適切なアドバイスをしてやります。時には勇気を出してやってみなさいと背中を押してやります。それは子どもが望むことではない場合が多いようです。要は「そうなの,それは嫌だよね,困ってしまうね」などと,気持ちを受け止めてやることです。心を抱きしめてやると,気持ちが前に向かいます。

★落書き★

 我慢することを知っていないと,困った状況を招くことになります。ところで,我慢は,仏教では我に執着し他人を軽視する心,高慢という意味でした。ところが俗世では,我に執着するところから我意をを通すという意味になりました。やがて,転じて,苦しみにも耐え忍ぶという健気な意味で使われるようになり,今に至っています。至らない我を表す言葉が,しっかりしたもう一人の我に転化したようです。より良くなりたいという願いが言葉の意味を変えてきたと思われます。


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