*** 子育ち12章 ***
 

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「第 76-10 章」


『子育ちは そばにいる人 大切に』


■子育ち12動心■

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『子育ち第10動心』

【他を悦ばす!】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第76版では,第75版の続編として,「子育ち」をしている子どもたちが育ちに向けて心を動かそうとしている言葉に寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという切なる衝動を12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと寄り添うことができるはずです。それによって,子育てをしている大人の願いも子どもにきちんと伝わっていくことでしょう。子どもが思わず向かっていかざるを得ないと心を震わす新たな12の指標盤を楽しんでください。

《他を悦ばす!》
 子どもは育っています。親は育っているというより,生きています。命があるのは,昨日,今日,明日と時を刻んでいくことになります。変化し続ける先に思いをはせるのが,期待や希望になります。自分が明日にはどうなるのか,もう一人の自分が思い描くとき,目指すイメージがあれば励むことができます。漫然と日々を過ごすより,目標に向かっている方が,生きている喜びが感じられるはずです。子どもらしく,ヒーローやヒロインに憧れながらも,お父さんお母さんのようになりたいと言ってくれたらいいですね。

 自分を変えていこうとする際に,自分だけで思い込むよりも,誰かと一緒に目指す方が成し遂げやすくなります。人は共に歩む人がいると元気になります。それは共に生きているという共感が心地よいからです。やがて,相手を悦ばすにはどうすればと考えるようになります。その思いが,人としての魅力を育ててくれます。自分のためだけに励んでいると,どうしても人としての器量が育ちにくくなります。自分を悦ばすためと,誰かを悦ばすため,どちらの道を歩んで生きていくかで,幸せになり方が大きく違うことになります。

 子どもが「他を悦ばす」という動心を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもは,家族として暮らしている中で,お手伝いをすれば,お母さんが悦んでくれる,それを励みとして,生活の術を身につけていきます。頭ごなしにしなさいと言われてするときは,悦びが通わないので,よい経験として身に付くことはありません。手伝いをそれとなく引き込んでやりましょう。実のところ,他を悦ばす,それが人として目指すべき姿であることを教えてやることが親としての大切な務めです。



 9月1日に近づくと,子どもの自殺が最も多く発生した特異日ということで,テレビや新聞で「無理して学校に行かなくていいよ」というメッセージが語られます。今は夏休みの終わりが8月末に早まっているので,登校日が9月1日ではありません。子どもの命を守るために「SOSの出し方教育」がされています。相談の方法として少なくとも3人の大人に話してみる。その中で否定や批判をしないで話を聞いてくれる大人が信頼できる大人であり,その人に話を聴いてもらうように,とあります。信頼できる親になりましょう。

★落書き★

 これは内緒の話,と断りを入れながら,内緒が広がってしまいます。子どもには内緒が効きませんので,聞かれないようにしましょう。ところで,江戸時代には,お勝手,台所を内証と書いていました。お勝手は表向きの仕事をする場ではなく,そこから「内々のこと」という意味が生まれ,漢字で「内緒」と書くようになったということです。子どもに聞かれて困る話をしているのは,キッチンでのおしゃべりが多くないですか。子どもは聞いていないようで,遊びながらでも親の話を聞きかじってしまいます。


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