*** 子育ち12章 ***
 

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「第 78-03 章」


『子育ちは 今の自分を ありのまま』


■子育ち12心情■

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『子育ち第3心情』

【厚いつもりで薄いのが誠実 薄いつもりで厚いのが私情!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を意識します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の針路構成となります。
 この第78版では,77版に重ねて,子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えます。育ちたいという健気な心積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添います。それによって,子育ての願いも目の前の子どもにきちんと重なっていくはずです。子どもが向かっている心づもりを理解できる新たな12の指標盤を楽しんでください。

《厚いつもりで薄いのが誠実!》
 もう一人の自分がありのままの自分をまるごと受け入れる誠実な関係を持っていれば,落ち着いた状況で育っていくことができます。ところが,自分を見る視点が様々に増えてくると,どうしても長所と短所という区分けをするようになります。自分の中に嫌な部分とか嫌いな部分を見てしまうと,誠実さが薄れてきます。もう一人の自分が自分に対して誠実ではなくなると,育ちを促すことができなくなります。自分の中に良い部分,好きな部分を見つけようと向き合う姿勢が誠実さを保持することになります。

《薄いつもりで厚いのが私情!》
 人はつい欲張りになります。人より多く欲しくなり,人よりよいものが欲しくなり,人と比べるようになります。自分だけが可愛いという私情の思いが膨らんで自分を厚く包んでしまいます。もう一人の自分が自分をひいきしていくと,周りにいる人を貶めようとします。悪口を言ったり,言いがかりをつけたり,いじめることで,自分の存在を高めているつもりになります。人にも自分にも誠実ではなくなっていきます。皆と仲良くするコツは,お互いに同じであるところを誠実に確かめ合うことです。

《親としての関わりは?》
 子どもが「誠実を目指し私情に引き込まれない」という心情を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。まずは,子どもを見ている親の目を誠実にすることです。決してダメな子ではありません。ダメではないところ,いいところが見えていないのではないですか? これまで何度もお願いしてきましたが,60点なら,まずは60点を認めてやれば,残りの40点に向かって育っていくことができます。100点でないとダメという親の私情は虐待への曲がり角です。



 子どもが賢くなる一つの方法は,自分で考えようとすることです。教わったことをしているだけでは,機械と同じで,人の能力にはなりません。予習をすることが,考える入り口になります。教わる前に,自分の力で考えるのです。できなくてもかまいません。自分は今どこができないか,何が分からないかを知ることが大事です。分からないことを知った上で,そこを教わると,欠けたピースが埋まるように,自分の思考が完成できます。人の思考をまるごと移植するのではなく,部分を取り込むのです。

★落書き★

 何かの競争をしていると,優劣を思い知らされると同時に,勝負が付かない相手に出会うことがあります。いい勝負相手,いわゆる互角の相手です。この互角とは,何の角のことでしょう。元は「牛角」と書いていました。仏典に「牛頭両角」という言葉があり,牛の左右の角は長さ,太さに差がないことから,お互いに優劣のつかないことを意味していました。その「お互いに」という意味が強くなってきて,「互角」になったということです。牛の一対の角,同じで当たり前ですね。取りあえず納得ですか。


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