*** 子育ち12章 ***
 

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「第 78-07 章」


『子育ちは 片寄りのない 力出し』


■子育ち12心情■

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『子育ち第7心情』

【高いつもりで低いのが能力 低いつもりで高いのが見栄!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を意識します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の針路構成となります。
 この第78版では,77版に重ねて,子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えます。育ちたいという健気な心積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添います。それによって,子育ての願いも目の前の子どもにきちんと重なっていくはずです。子どもが向かっている心づもりを理解できる新たな12の指標盤を楽しんでください。

《高いつもりで低いのが能力!》
 情報社会に育っている子どもたちは,情報の扱いには堪能です。あまりに偏りすぎて心配な面も出ています。身体面では,視力の低下があります。健康は人の能力の基本ですが,目が悪いと生きていくことに支障が出てきます。知り合いの中だけで文字情報に偏っているので,知らない人からの電話に出るのが怖いといった若者も現れています。面と向かって話さず書き込みをするから,いじめが起こりやすくなります。人とのつながりの能力はとても低くなっていることを,子どもが自覚していないことが心配です。

《低いつもりで高いのが見栄!》
 情報社会で炎上という現象があるようです。表現の自由ということで,簡単に表現する場所が得られます。その中で,気に入らない表現に出会うと,正義感に駆られて度を超した非難を浴びせかけます。自分はいいことをしているというつもりでしょうが,いい人ぶりたい見栄が透けています。宿題の作文では自分の言葉を紡ぐことを嫌がりながらも,それなりの評価が欲しい見栄から,ネット検索をして気軽にコピペしています。自分をよく見せたい見栄を満たしていると,自分の能力を持ち出すことをしなくなります。

《親としての関わりは?》
 子どもが「能力を目指し見栄に引き込まれない」という心情を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。育ちだかりの子どもをほめることが薦められます。親がほめることは,成果や結果ではなく,普段の暮らしの振る舞いの中で努力している経過です。どのようにがんばっているか,そこに能力が現れているからです。大人から見たとき子どもの能力は低いのが当たり前です。子どもにとっての能力は,力を精一杯発揮しているかで観測します。そこが育ちの最前線なのです。



 子どもが賢くなる一つの方法は,手で考えることです。漢字を覚えるのに,練習帳で漢字を書き並べます。手は漢字を一画ずつ書き足していきます。この作業を通してすべての線が同じ重みを持って記憶されます。変換に慣れてくると漢字を書けなくなる,読めても書けないといった経験があるはずです。手は外部の脳と言われています。物事を考えるときも,手であれこれ書いて具体化していくプロセスが,ゴールへの道となります。覚えるのも組み立てるのも,頭だけではなく,体全体を使うことで能力が総動員されるのです。

★落書き★

 膃肭臍? 流行りのクイズ番組に出てきそうな難読漢字?のようです。読みはオットセイです。もとはアイヌ語で「オンネップ」と呼ばれていましたが,中国では「膃肭」となり,その臍(へそ)が強壮剤として重宝されました。やがて日本にはその薬が「膃肭臍」の名で紹介され,やがて動物自体も指すようになったということです。強壮剤の名前であったことなどすっかり忘れられています。オットセイはどうして膃肭臍というの? 子どもには説明しにくいですが,どうしますか?


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