*** 子育ち12章 ***
 

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「第 83-04 章」


『子育ちは いっしょに育つ 友がいて』


■子育て12心権■

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『子育て第4心権』

【人と集まる心権!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
 人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

 《群れ遊ぶこと》
 子どもは遊びを通して,群れを作っていきます。学校でも,休み時間に誰と時間を過ごすかが,群れを決めています。スポーツクラブや塾といった形の群れもあります。ただ,その群れは競争という要素が入り込んで,ライバル関係になる場合もあり,気の置けない群れとばかりは言えません。お互いに分かり合える,支え合える,協力し合えるような群れを,いくつか持つようにしましょう。一つしか群れがなかったら,そこにしがみつくために無理をします。複数の群れに入るという自由度を持つこと,いろんな遊び仲間がいること,それが安心を保障してくれます。

 《縦につながらせる》
 保育所や幼稚園から小学校,中学校と,子どもたちは同年齢の群れの中でのみ育てられています。それは集団を保護し教育する側の利便性や効率性のためであり,子育ちの面では必ずしも適切ではありません。子どもは子どもたちの中で育つといわれますが,子どもたちとは異年齢の子どもの群れでなければなりません。同年齢の中では,同じでなければならないというストレスが発生し,小さな違いも忌避されるようになり,いじめに発展しやすくなります。異年齢の中では大きな違いがあるので,違いに対する包容力が育まれ,子どもがのびのびします。

 《礼を守らせる》
 群れは一つの社会になります。社会を維持するためには,一人ひとりのわがままは押さえ込まなければなりません。それぞれが勝手な行動をすれば,群れは壊れてしまいます。少しの我慢をし合うことで,群れとして大きな活動が可能になり,大きな喜びを手にすることができます。一人で遊ぶより皆で遊んだ方が楽しいし,なにより笑顔がたくさん出てきます。笑顔は気心が知れあった仲間の中で生まれるものです。少しの我慢,それが群れの中での礼儀になります。嫌々従うのではなく,そうした方がいいと思うものが礼儀です。親しき仲にも礼儀あり,大事な社会性です。

 《社会性が育つ》
 社会性は,お互いに気持ちよく付き合うことです。そのためには,支配しようとしたり,利用しようとしたりという自分本位な欲望を封じなければなりません。群れの中ではお互いに五分と五分の対等性を維持するようにすれば,良好な関係になります。金の切れ目が縁の切れ目という社会もありますが,それとは一線を画した損得抜きの人間的な群れを持つことが,心穏やかに生きていく条件となります。ただ気をつけておくことは,自由に集まれる群れであること,同時に自由に離れられる群れであること,その柔軟性が求められることです。



 新学期を迎えると,友達関係の心配が出てきます。1年生の歌では,友だち何人できるかなと,不安と期待が交錯します。関係を結ぼうと積極的に関わっていく元気があるなら,心配はないでしょう。人付き合いが苦手なら,仲間はずれになるのではと気になります。でも,聞き上手になれば友達はできます。話す子は聞いてくれる子が必要なのです。親は子どもに対して聞き上手に接するようにすれば,子どもは話し上手に育っていくことができます。話し上手よりも聞き上手の方が学習の面でも役に立ちます。

★落書き★

 ウグイスの鳴き声といえば,「ホーホケキョ」です。でも,若鳥の頃から「ホーホケキョ」と鳴くわけではありません。最初はせわしなく「ケキョケキョケキョ」と短く鳴いています。慣れてくると「ホー」と伸ばすようになります。このホーと伸ばす音は,息を吸うときの音です。ウグイスは「ホー」と長く伸ばして息を吸って,「ホケキョ」と息を吐き出しているのです。息を吸うときにも音が出るのは,人は真似できませんね。違いますね,イビキ?


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