*** 子育ち12章 ***
 

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「第 85-01 章」


『子育ちは 自分ですると 手を離し』


■子育ち12親心■

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『子育ち第1親心』

【隠れながら見守る親心!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第85版では,子どもたちの育ちに寄り添う親がどのような心であればいいのか,確認をするポイントを総括します。子どもの育ちは周りからの多様な支援と結びついて一体化する設計図とも言える様式があります。順序が違ったり,逆につながったりすると,本来の属性が機能せずに,育ちに不都合が織り込まれてしまうこともあります。
 人間として心豊かに育ってほしいという親の願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるためには,日々の子育てを確認することが必至です。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標毎に親からの支援のつながりを確認してみましょう。

○保育園に通う6歳の娘と母親の会話です。「ママお仕事がんばってね!」「△△ちゃんもがんばってね!」と,うるわしい母子の姿で一日が始まります。ところがある日,娘から「いつも△△ちゃんに『がんばってね』って言うけど,何をがんばればいいの? 保育園で遊んでるだけなんですけど」と言われました。母親は,娘がママと離れる寂しさに耐えて,がんばってるんだと思ってたんだけど・・・。冷静すぎるぞ,保育園児!と苦笑です。

 娘が自分のことを△△ちゃんと言っています。自分を名前で呼んでいるのが,もう一人の自分,もう一人の子どもです。自分を第三者的に見ることができるのは,もう一人の自分が誕生しているからです。

 もう一人の子どもが育っていると,ママと離れる不安は軽くなります。ママがいないと不安になるという心情は,ママに言われないと自分でどうすればいいか決められないからです。指図されないと動けないということです。自分のことを決めるもう一人の自分が育っていない状態です。もしも四六時中,ママの言いなりになっているとしたら,もう一人の子どもは生まれることができません。

 親は少しずつ隠れるようにして,子どものことは子どもに任せるようにしていきます。自分で決める機会を持たせていくと,もう一人の自分が誕生します。子どもを育てるというのは,実際の所,もう一人の子どもを育てることなのです。

 子どもが自立しはじめたら,親離れをしようと思われるかもしれません。順序が逆です。親離れを仕掛けるから,もう一人の子どもが誕生して,自立していきます。子どもが自分で考えて決めなければならない機会を与えるために,親は隠れるようにする必要があるのです。自立しなさいと外部から命じるのではなく,子どもの中のもう一人の子どもの登場を促すことが,自立を目指す子育てになります。

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※教師を探し求める子どもには,そばにいることを感じさせ,感づいている子どもには隠れるようにしなさい。
 不安な子どもには心の拠り所となり,安定している子どもへは教師のリモコンにならないように存在を潜めるように。



 子育て羅針盤の第85版に版を改めます。子どもの保護者は子どもとの間合いに気を遣います。過保護であるとか,放任であるとか,周囲からの助言も聞こえてきたりします。子どもからも様々な反応が返ってきて,どうしたらいいのか迷うこともあります。多少のすれ違いがあっても,あれこれやり直しながら,目の前の子どもとの関係を作り上げていくしかありません。そう言ってしまうとお手上げですが,こんなこともありますという話を聞くと,親が取る間合いに何かの参考になるでしょう。そう思って,お届けしていきます。

★落書き★

 お魚は泳ぎが達者ですが,溺死することがある種類もいるそうです。マグロやカツオといった回遊魚です。回遊と呼ばれるように,この種類の魚は高速で泳いでいるときにしかうまく呼吸ができません。泳ぐ速度が落ちると,エラに水がスムーズに流れなくなり,酸素を取り込めなくなります。狭い海域に迷い込んだりして泳ぐスピードが落ちると,酸素をうまく取り込めなくなって溺れ死ぬことがあるというのです。


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