*** 子育ち12章 ***
 

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「第 86-13 章」


『子育ちは 湧き出る気持ち 和やかに』


■子育ち12正負■

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『子育ち第13正負』

【気持ちの張りを持つ!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第86版では,子どもが育っていく方向があるべき正しい場合と逆の負の場合をセットにして考察していきます。育ちの進み方はふらふらしますが,正しい向きであることを見守っておかないと,逆に逸れたままにしておくと,戻り損ねます。後悔しないために,見届ける際の参考にしてください。

【表の育ち:気持ちの張りを持つ】

●幼い子どもはその気になってごっこ遊びをします。もう一人の自分が育ってくると,自分を別の役に擬すことができるようになります。朗読好きの2歳8か月の娘がいます。ある日,お気に入りのクマのぬいぐるみを両側に座らせ読み聞かせです。感情をこめて一生懸命読んでいましたが,声が止まったと思ったら,「ママー,クマちゃん全然ご本見ていないよー!」。不真面目な態度のクマさんに気持ちを白けさせられた悔しさがあります。気持ちを込めているかどうか,子どもでも感じ取ることができるのです。

○真面目に取り組むようにしていると,体験している行動がしっかりと身につきます。真面目な態度,それはかなりの緊張を伴いますが,その緊張感を持続できるようになると,立ち居振る舞いがメリハリのきいた美しいものになります。学校で1時間背筋を伸ばして座っていることができる,その程度の気の張りを持っていると,授業が楽しいものになります。授業がつまらないからだらけるのではなく,だらけているから授業が楽しくなくなるのです。順序を間違えないことです。

○ママが好きな,さっさと,きちんと,しっかりとするためには,息を詰めて,気を張るようにすればいいのです。例えば,きょろきょろせずに,必要な一点を凝視します。余計なことはせずに,手を必要な動きに限定します。あれもこれもと考えるから気が散るのであって,これを済ませたらあれをと順序に従うようにします。気張ってとは堅い力を漲らせる様子のことですが,柔らかな力を漲らせることもあるはずです。細かな作業をするような場合に必要になります。

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【裏の育ち:気持ちに振り回される】

●感情があるために,人の気持ちは揺れ動きます。時として,荒れ狂う場合もあります。もうじき3歳になる子どもに,母親は毎日手を焼いています。どこかに出かけると「お買い物〜」「△△買ってね」「これが食べたいよ〜」とダダをこねます。ある日のこと,家で「△△食べたいよ〜」と大泣きです。「もうないの。ないものはないの。ないって言ってるでしょ!」と少しヒステリックになって言うと,子どもが「おかあちゃん,落ち着いて,ね」。その瞬間母親はふと我に返りました。でも,あんたが1番落ち着かなきゃあ〜!

○慌てると事をし損じます。気持ちが途切れるので,動きが途切れて首尾一貫しないからです。事をなすときは始めから終わりまで連続した動きが必要です。慌てるときは,不連続な動きが紛れ込んでしまいます。もう一人の自分が自分に落ち着けと言い聞かせることになります。しかし,慌てているのがもう一人の自分ですから,効果はありません。ソフトとハードがミスマッチな状態にあれば,仕事はできません。仕切り直しをして,出直すことです。

○感情的であるということは,普通にはよいイメージではありません。だからといって,感情を排除することはありません。思いやりや優しさは,感情があるから発揮できます。感動するといった大事な感覚も必要です。大切なことは,感情に溺れないということです。美味しいものを食べたいという気持ちが生きていく力ですが,過ぎてしまうと肥満という不健康を招きます。本能を欲情にしないように抑制する力を育ててやりましょう。



 ビジネス世界で有能な人は「できる人」と讃えられます。ただ人はビジネス生活だけをしているわけではありません。普段も含めて,人間らしく生きています。お付き合いしたくなる人,信頼できる人,一緒にいたい人,それは「できた人」です。どんな人になりたいかと考えたとき,なかなか思いつきませんが,大人は子どもに向かってよく尋ねています。ちゃんと育つにはどのような基礎となる力が身についていけばいいのでしょう? 次号からの案内です。

★落書き★

 プロ野球セリーグにヤクルトスワローズという球団があります。スワローはツバメです。スピード感がイメージされますが,球団名のいわれは違っています。今のJRの前身である国鉄が野球チームを持つときに,球団名として国鉄コンドルズと強い鳥のコンドルを想定した名前が候補になりましたが,国鉄が「コンドル=混どる」のはまずいとなって,ゆっくり「座ろう=スワロー」に決まったのです。球団主がヤクルトになったら,違ってしまっていますが。


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