*** 子育ち12章 ***
 

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「第 89-02 章」


『子育ちは 自分と他者と 同じよう』


■子育ち12情動■

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『子育ち第2情動』

【自他情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

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《気配り》
 もう一人の自分は,身びいきをするものです。自分を生かそうとします。それはごく自然の欲望と思われます。ところで,人間社会においては,自然のままでは困ります。見苦しくないように,最低限の衣装をまとうことが必要です。生身の個人的な欲望をむき出しにすると周りが迷惑をしますし,一方で周りからの欲望は敬遠したくなります。社会はお互い様であり,自分と他者は同等であるという確信が常識です。その常識としてもう一人の自分がまとう衣装,それは気配りという心の衣装です。気配りを形にすると礼儀になります。

○お子さんは,その場の雰囲気を壊さないように気をつけていますか?

 子どもは場所柄を弁えずに騒ぐものです。それは気配りという心の衣装をまだ身につけていないからです。もう一人の子どもが真っ裸で走り回っているようなものですから,慌てて追いかけて適当な衣装をまとわせなければなりません。静かにという上着,大人しく座っているというパンツ,あるいはお話を聞くという頭巾,いろいろな気配りを使い分けなければなりません。子どもに気配り力を持たせるためには,大人がして見せて,している子どもをほめて,一緒に雰囲気を楽しむことです。

○お子さんは,みんなで何かを決めるとき,みんなの意見をきちんと聞いて決めていますか?

 自分一人だけに関することは,自分の意のままに決めても構いません。決めた結果については,自分で責任を取ればいいのです。周りの人と関わりのあることを決めるときには,自分の思い通りに決めることは控えなければなりません。そうすることは勝手というものです。関わりのある者たちがそれなりに納得できるように,話し合って決めるという手続が求められます。話し合うというのは,聞き合うということです。意見や考えを聞くと,より良い考えに行き当たるので,正しい選択をすることができます。

○お子さんは,朝の会,帰りの会などの司会をてきぱきとやることができていますか?

 司会をするという状況はかなり特別なものですが,遊び仲間の中でみんなの話を仕切る状況を想定してもいいでしょう。昔のようにきょうだいの数が多いときは,兄や姉が立場的に仕切る役割を演じて,練習をすることができました。現在の子どもたちの環境では,普通の生活の中では仕切る経験は少ないでしょう。子ども会などの集団活動の中で,リーダーとしての役割を与えて,仕切る経験をさせることなどが大事です。司会は,それぞれの発表に対して,青・黄色・赤の信号による交通整理をすることです。考えるのはみんなです。



 もう一人の子どもは,自分を大事にするために誕生します。やがて,自分を大事にするためには,周りとの関係を良好に保つ必要があることを学びます。笑顔を見せるとやさしく構ってくれることを学び,笑顔で周りをコントロールしようとします。さらに,周りの他者の自己主張との競合・衝突を経験して,お互い様という和解の関係を悟ります。自分と他者が五分五分の共生関係であることが基本であると納得できたとき,社会性の育ちが始まります。

★落書き★

 夏みかんという名前のミカンは,夏の果物ではなく,3月から5月が旬です。実は,昔は夏の果物だったのです。昔の夏みかんは実をつけた時,直ぐに食べようとしても,酸っぱくてとても食べられませんでした。そこで,しばらく木に実をつけたまま熟すのを待って,酸味が消えてから食べていました。それが初夏から夏にかけての時期だったので,夏みかんと呼ばれるようになりました。その後,品種改良で春先に出荷できるようになりましたが,名前は残っているのです。

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