*** 子育ち12章 ***
 

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「第 89-03 章」


『子育ちは 我を忘れぬ 自分居て』


■子育ち12情動■

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『子育ち第3情動』

【自制情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

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《自制心》
 親離れをすることを経て,もう一人の子どもは自分と他者という関係性に気付きます。自分は周りとの関わりの中で生きていると理解します。お腹が空いたからと,のべつまくなしに食べることはできず,食事の時間になるまで待たなければなりません。自分中心に周りが動く天動説ではなく,自分を周りに合わせていく地動説に従わなければならないと,もう一人の子どもが納得しなければなりません。その他にも,人のモノを勝手に取ってはいけないことなど,自分に言い聞かせるべきことがたくさんあります。

○お子さんは,自分の気持ちだけではなく,場面を考えて行動していますか?

 友達と遊んでいるとき,順番を待たなければならないといったことがあります。スポーツクラブに加入しているなら,チームプレーである one for all の精神を受け入れることが求められます。自分勝手な行動を控えるというしつけを,もう一人の子どもが自分に施さねばなりません。その他に,朝は時間通りに自分で起きること,出掛ける前にトイレに行くということ,帰ってきたらうがいと手洗いをすることなど,生活の中にあるリズム行動に自分を馴染ませていくことで,気持ちのしつけがごく自然にできていきます。

○お子さんは,休み時間と授業時間との気持ちの切り替えができていますか?

 学習が成果に結びつくためには,学習に向かう姿勢,気構えができていることが大事です。ダラダラした気持ちでは,学習のみならず,あらゆることが為し得ないでしょう。シャキッとしなさい,きちんとしなさい,そんな言葉を子どもに向けるとき,気持ちを切り替えなさいと言いたいはずです。学校では,休み時間が終わると,教科書を出すなど授業の準備をしますが,その行動をすることを通して気持ちが切り替わっていきます。家庭では後片付けをすることで,気持ちのけりを付けることができるようになります。

○お子さんは,いやなことがあっても,友達に八つ当たりをしないようしていますか?

 我を忘れるということがあります。もう一人の自分が自分をコントロールできなくなることです。気持ちが激しく揺さぶられると,その興奮状態を解消しようとします。その手立てとして気持ちのブレをそのまま周りに吐き出すのが八つ当たりです。叱られて腹いせに扉をバタンと閉めたりすることです。出先で不快なことがあると家族に当たり散らすといったことをする大人もいるように,八つ当たりをしないことは難しいことです。せめて友達といった人には当たらないようにしつけておきましょう。



 自制というのは自分の行動に対してブレーキを掛けることになります。もちろん,ブレーキだけでは前に進むことができません。しっかりとしつけされた子どもが引っ込み思案な子どもになるのは,ブレーキの利きすぎ状態です。アクセルを踏んでよいという局面も見出すべきです。日々の暮らしの中で具体的な行動を選び出す経験を積み重ねていけば,アクセルを踏むべき行動とはどういうものであるかが分かるようになり,共生という感覚を身につけることができます。

★落書き★

 中年の女性に姥桜といえば,取り返しがつかなくなりそうですが,実は褒め言葉だそうです。中年になっても,なお若々しく色気のある女性のことをいうそうです。姥桜はヒガンザクラという美しい桜の一種で,ただ花が散るまで葉がないそうです。そこで,「葉がない」を「歯がない」として老女の意味でも使うようになったダジャレなのです。やはり老女じゃないですか?

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