*** 子育ち12章 ***
 

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「第 91-07 章」


『子育ちは 今の未熟の その先を』


■子育ち12反転■

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『子育ち第7反転』

【激励と非難!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第91版では,子育てと子育ちが反発してしまう心配をを考えておきます。子どものためを思って良かれと作用をしても,子どもからは良くない関わりになってしまうということです。親はしつけのつもりで関わっていても,子どもからは虐待となっていることがあると言われるようなことです。保護するのが親の務めですが,過ぎると過保護となって,育ちを疎外してしまいます。どんな点に注意をすればいいのか,羅針盤の12の視座から考えてみましょう。

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《激励》
 「人生とは重き荷物を背負って坂道を登るようなもの」という言葉を残したのは,徳川家康です。人生を歩き始めている子どもも,育ちの課題という荷物を背負っています。重いから止めておこうという気になって,荷物を下ろしてしまうと,育ちができなくなります。そこで親は,何とか重い荷物を担がせなくてはなりません。担ぎなさいと指示し,担いでいないと叱ります。坂道の途中なので,「このままではだめ!」と,ついついハッパを掛けたくなります。
 激励といえば,「がんばれ」という言葉が思い浮かびます。がんばるとはどういうことか,教えておかなければなりません。がんばるとは,今以上に精を出せということではなく,今のままでいいということです。今していることがいいことだからと認めてあげて,もう少し続けてほしいという願いを伝えることが,がんばってねという激励です。大切なことは,今のままではダメというのではなく,今のままでいいからという認知です。坂道の途中にいる子どもを,ここまでよく登ってきたねと認めてやることが,激励です。

《非難》
 子どもを育てようとしている親は,こうでなければならないという子ども像と目の前の子どもを比べて,期待像になるように,しつけという働きかけをします。そこに焦りや親の都合などが紛れ込むと,しつけが虐待や体罰に踏み外すことになります。「虐待ではなくしつけだ」という言い訳をむげに否定できないのは,そこになにがしかのつながりを認めざるを得ないからです。それでも,明確な一線があるはずであり,それは目の前の子どもをダメと否定していることです。言い換えると,人間扱いしていないということです。
 大人から見れば,子どもは育ちの途上にいるわけですから,未成熟です。未成熟であって当たり前,ただし,未成熟にも程度があることを弁えておくことです。この年頃の子どもはこの程度の育ちであるという子どもたちのイメージを持つようにしましょう。同年齢の子どもではなく,異年齢の子どもたちをたくさん見守って下さい。同年齢の子どもだけを見ているから,ついダメなところに目を付ける嫌みな非難になります。至らなくていい,弱くていい,今は今の状態でいい,今を認めてやることが,親の目です。



 子どもは親の背中を見て育つといわれます。背中を見せる準備をしておかないと,子どもは親の背中を見るという育ち方を知らないことになります。小さいときに,おんぶしてやること,肩車してやることです。だっこをすると子どもと対面して安心感を与えるといわれますが,長い間向き合っているとやがて落ち着かなくなるはずです。向き合うのはちょっとの間でいいのです。おんぶをすると,親の背中の広さや温もりを感じ取り,何より親と同じ目線で見る世界を体験できます。背中を教えるのは,お父さんの務めなのですが?

★落書き★

 学校で最も嫌なものは試験でしょう。答が分からないと、嫌な思いをします。ところで,普通には,答として,回答と解答があります。その使い分けができていますか? 物事に答えるのは何も試験や面接だけとは限りません。アンケートに答えるのは何でしょう。回答とは正解のない答えに対して使われます。アンケートには正解はないので,回答です。一方で,正解がある問に対して使うのは解答です。クイズの答も解答です。

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