*** 子育ち12章 ***
 

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「第 91-08 章」


『子育ちは 今必要な ものを得て』


■子育ち12反転■

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『子育ち第8反転』

【供与と贈与!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第91版では,子育てと子育ちが反発してしまう心配をを考えておきます。子どものためを思って良かれと作用をしても,子どもからは良くない関わりになってしまうということです。親はしつけのつもりで関わっていても,子どもからは虐待となっていることがあると言われるようなことです。保護するのが親の務めですが,過ぎると過保護となって,育ちを疎外してしまいます。どんな点に注意をすればいいのか,羅針盤の12の視座から考えてみましょう。

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《供与》
 子どもは甘いものが好きです。お子様メニューに片寄って,甘くて柔らかい物を与えていると,不都合な結果に至ります。例えば,柔らかい物は歯や顎の噛みしめる機能を軟弱にします。食事前に甘いものを食べると,満腹感が出て,食欲が減退し,食事量が不足します。大人も,美味しいものを食べて肥満気味になり,減量を迫られます。欲しがるから与えるというやり方は,よい与え方ではないようです。喜ぶから与えるという贈与ではなく,本当に必要な物だから与えるという供与をしたいものです。
 絵の教室に行った子どもが,花の種をもらって植えました。水やりを毎日欠かさずに面倒見て,芽が出て葉が伸びてつぼみができて,ある日に,花が咲きました。「咲いた」と思っているときに,先生が絵を描かせました。買ってきた切り花を花瓶に挿して,写生するということが絵を描くことではありません。手近にあるものを描くという技を贈与するのではなく,この花を描きたいという絵心を供与すること,それが子どもに与えるべきことなのです。

《贈与》
 学校での落とし物が貯まっていきます。探しに来る子どもがいないのです。「無くした」「どこで?」「分からない」「ちゃんと探した?」「うん」「しようがないわね。買ってあげるから,もう無くしちゃダメよ」。子どもは無くしても何の苦労もなく新しい物が手に入ります。何でも買えば間に合うという価値観を与えられます。子どもが消費者と目されている社会では,手持ちのモノはすぐに旧式になり,新型が現れて買換えが誘われ,祖父母などから贈与されます。使えるモノを無価値に思わせる与え方は止めるべきでしょう。
 育ち盛りの子ども用品は,サイズがすぐに合わなくなります。今しか着られないものがあります。昔は裾上げや裾下ろしをして大きさの修正をして少しでも長く着られるように工夫していました。きょうだいがいるとお下がりという手もありました。子どもに与えるさまざまな物は,今現在の子どもに相応しいものでなければなりません。早めに与えた方がいいだろうと思って,例えば年齢不相応な学習教材などを与えても,子どもには届かないでしょう。飾り物を贈与されたという扱いになるはずです。



 スポーツのチームが試合前に円陣を組んで気合いを入れます。ことを始める前に,よーし,やるぞと自分に気合いを入れます。眠い朝に,水で顔を洗って,さあ,今日一日がんばるぞ,という気持ちの切り替えをします。ゆったりする時間と張り詰めている時間,その切り替えをしないと,怪我をしたりしくじりをしたりします。するときはする,休むときは休むという気持ちの切り替えは,子どもにとっては授業時間と休み時間の切り替えにも適応されます。メリハリの利いた暮らしのリズムを教えるのが,お父さんの役目なのですが?

★落書き★

 緊急時の救助信号はSOSです。この信号は何の略でしょうか? 一説には,「Save Our Ship(私たちに船を助けて)}や「Save Our Souls(私たちを救って)」の頭文字をとったものだと言われることがありますが,これは間違いです。モールス信号でSOSを打つ場合「・・・―――・・・」(S=・・・,O=―――)となり,この単純な信号が覚えやすく緊急時でも間違いが少ないとして採用されたのです。語源もなく略称でもないのです。トントントン ツーツーツー トントントンを覚えておいてください。

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