*** 子育ち12章 ***
 

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「第 92-13 章」


『子育ちは 欲のリセット できるよう』


■子育ち12幸育■

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『子育ち第13幸育』

【喜びの源を自分の中に見ると幸福である】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第92版では,こどもが幸せに育つとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せになるために育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,育つ喜びを発揮して欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せであるということを確認しておきたいと思います。

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《幸福であるために》
 幸せでありたいから,豊かな社会を作ってきました。豊かさとは,ものが有り余り選択することができることであると考えられてきました。有り余るとは必要以上にものがあふれ選択から漏れたものが残ってしまうという結果に至り,例えば食品の残滓があふれているという矛盾などが現れます。選択する立場は,他から与えられているということであり,幸せにしてもらっていることです。あれもいいこれもいいと選んでいるだけでは,結局目移りするばかりで,際限がありません。欲求ではなく欲望に振り回されていきます。
 子どもを見ていると,買ってもらったモノはすぐ飽きるのに,我慢して貯めたお小遣いで買ったモノは大事にしています。子どもでも,モノを所有することではなく,自分とモノの間にどのようなつながりがあるかという覚悟が大事であると分かるようです。人が持っているから,人がしているからというのではなく,自分が気に入っているから,自分がしたいからという自覚が,自分の喜びを引き出してくれる条件なのです。幸福であるためには,自分の喜びを見失わないことです。

《幸福になるために》
 美味しいものを食べるのが幸せと思われています。それはそうなのですが,濃い味に染まっていくと道を外れます。ものが与えてくれる美味しさを追いかけているからです。美味しさを感じる自分の舌が鈍感になっていることに気がついていません。鋭敏な感度を維持するためには,薄味に慣れることです。子どもの舌は大人と違って敏感です。苦味を大人以上に感じるから,大人のように苦味を楽しむことはできません。子どもが濃い味を習慣にすると,味覚が狂わせられることになり,成人病などにつながっていくと思われます。
 楽しいことが幸せの一つであると思われています。楽しいことを求めて,ゲームに溺れ,盛り場を徘徊します。感情を激しく揺さぶる興奮が蔓延っています。じっくりと湧きあがってくる感動はなくなり,単発的な爆発でしかなく,余韻がないために,すぐに冷め切ってしまいます。誰かが与えてくれる楽しさだけしか知らないからです。自分の頭で考え自分の手で楽しさを創りだすという遊びの基本を知れば,自分の中に楽しさを育む喜びが可能になります。汝自身を知れという言葉を思い起こしておきます。



 100点が目標であれば,60点は不幸です。0点が出発であれば,60点は幸せです。不幸な60点は嫌だから,頑張ってみようということになるかもしれません。幸せな60点だから,もう頑張らなくてもいいということになるかもしれません。見方次第で幸不幸は左右されますが,受け止め方次第でその後の歩みが左右されます。瞬間毎に幸不幸を思うのではなく,ひたすらに生きていこうとする自分を誇りに思えるかどうか,そういう幸福感もあっていいのでは思いませんか?

 本号で第92版を終わります。幸福というテーマに沿って書いてきましたが,多少人生訓的な内容になってしまったようですが,子育ちは幸せを目指していると思っています。次号からの第93版では,「生きる力の育成を目指す目標」という提言を参考にして,羅針盤らしくまとめていく予定にしています。引き続き読んでいただければ幸いです。

★落書き★

 今日のおやつは何ですか? ところで,おやつとは何のことですか? 江戸時代,時計の代わりにお寺の鐘の音の数で時間を知らせていました。鐘の音は四つから九つの6回に分けていました。鐘の音が八つ鳴らす時間が今の2時頃を指していて,その八つ時にお菓子を食べる習慣がありました。そこから,お菓子をおやつというようになったのです。3時ではなかったのです。

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