*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 93-01 章」


『子育ちは 自分が決めて 生きていく』


■子育ち12志向■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第1志向』

【意思を決定しよう! 選択能力】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第93版では,こどもが幸せに生きる力を目指すとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,生きる喜びを身につけて欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せに生きることであるということを確認しておきたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《意思を決定できる》
 小学1年生の母親の中に,こんな発言がありました。「よそのこはわがままだから,一緒に遊ばせたくない」。なるほど,その家の子は,聞き分けがよくて,親の言うことに素直で従順でした。そのことは,その子が日頃折にふれて「お母さんがイカンと言う」,「お母さんに怒られる」と言っていることから,うかがうことができます。母親の言うがままであることがよいことであり,子どもが自分で判断して決めることはわがままであるという風に思われています。わがままを許していると,反抗につながって,手に負えなくなるという心配があるのでしょう。
 ただ優しく見守っていると,子どもは自分の思い通りに決めて行動します。親が願うこととは違うかもしれません。しかし,あなたのことは私が決めるという干渉は支配的であり,子どもの服従はもう一人の子どもの誕生を阻止します。反抗という厄介な出来事は,もう一人の子どもが生まれるときの陣痛のようなものです。こらえて生み出さなければ,第2の誕生ができなくなります。命令通りにしか動かない子どもは子どもではないというように思っていてください。もちろん,子どもが判断できないような危険なことを避ける指示は必要です。干渉は控えなければなりませんが,放任もまたすべきではありません。

《選択確保》
 水族館での親子の風景です。「ここに泳いでいるのは,世界で最も小さな鯨の一種です。スナメリと言います。大人になっても2メートルにしかなりません。横の階段を上がると,水面で呼吸をする状態がよく観察できます」という説明がありました。ある親子の会話です。「あーっ来た来た。砂色だ。いるかにそっくり」。小学5年生くらいの少年は,呼吸を弾ませて見入っています。「ほら,この上で,詳しく観察できるんだって,上がってみよう」と母親がサポートします。わが子の興味・関心を引きだし,それを持続させようという姿勢です。
 もう一組の親子です。「あーっ来た来た」までは同じ年頃の少年らしい驚きの言葉です。このとき,母親が突然叫びに近い声を発しました。「サア,行くよ。食堂が混んじゃうから」と子どもの手を引いて立ち去っていきました。子どもの自我を羽交い締めしています。食堂が混むのを気にするよりも,子どもが何を思っているかを邪魔しないで見守って欲しいですね。せめて,どうするか,子どもに決めさせるような問いかけをしてみてください。先の心配より今の感動を大事にするような選択の機会を与えましょう。



 子育てにも収支計算をしてみませんか? 家計簿は支出だけでは赤字ですね。子育ても同じです。収入=自立したこと,支出=反抗すること,として,収支バランスを見なければなりません。自立をどう見積もるかというと,子どもが自分で決めることができているかという評価です。言わなければしないできないという状況では,育っていないのですから,収入も支出もありません。子どもに任せてよいことは任せて,自我の発芽を認めると,親の思いに逆らう反抗に見えることもあるでしょう。収入があるから支出もあるのです。収入を見るように目を凝らさなければ,支出ばかりと錯覚することになりますからご用心を!

★落書き★

 日本の硬貨には必ず製造年が和暦で刻印されています。硬貨に年号が刻印され始めたのは,金を通貨価値の基準とする制度,金本位制の名残です。造幣局ができた1871年当時は,金の品質が年によって異なっていたため,いつの硬貨であるかを証明する必要がありました。一方紙幣は紙でできているので寿命が短く,製造年を印字する必要がありません。1万円札で3〜4年,千円札で1〜2年と言われていて,直ぐに新しいものと取り替えられてしまうので,何十年も前の紙幣は出回らないのです。ところで,タンスの奥に古い紙幣はありませんか?

「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第92-13章に戻ります
「子育ち12章」:第93-02章に進みます