*** 子育ち12章 ***
 

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「第 93-03 章」


『子育ちは 互い支える 力持ち』


■子育ち12志向■

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『子育ち第3志向』

【他者と協調しよう! 個性尊重】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第93版では,こどもが幸せに生きる力を目指すとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,生きる喜びを身につけて欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せに生きることであるということを確認しておきたいと思います。

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《他者と協調できる》
 幼い娘の心の状態が寝言に現れました。1週間程「ごめんなさい」と何度も泣きながら,指しゃぶりして眠りに入っています。母親はその声を耳にしたときには反省をするのですが,日中になると,懲りずについ叱っています。さすがに長引いてくると堪えます。自分の気持ちをじっくりと問い直してみました。2歳の子を相手にして,何を焦っているのだろうという気付きがありました。大人げないという自覚が,2歳の子との関係に適正な間合いを持たせてくれました。協調できる間柄になったのです。
 母親の気持ちが軽くなったせいで,眉間から縦皺が消えていきました。「ママ,笑っている,久しぶりね」と,娘は眠ったまま,何度も笑い声をたてています。目覚めると,ダッコをせがんでくるようになりました。夢の中で,ママが「怪獣」から優しい「正義の使者」に代わっていったのです。他者と協調できる? 2歳の娘は怪獣とは協調できず,正義の使者とは心地よい協調関係に入ることができます。他者と協調できたときの心地よさをしっかりと教えておくことが大事な子育てです。

《個性尊重》
 学校で班学習がされています。中に「宿題をやってこない」児童がいたら,同じ班の児童から「班が困る」と責めたてられます。連帯責任を課されており,協調することが必至というプレッシャーがあります。皆で決めたという至上命令を突きつけられると,逆らうことは許されないという状況に追い込まれます。その責任を果たせない自分を協調関係から外さざるを得なくなり,結果として,学校に行きたがらなくなることもあります。班から脱落することを選択していきます。
 班学習はメンバーのためになるはずのものです。各自が持っており弱点を,他のメンバーが持っている強点で補うことが目的です。連帯責任は班内で責任を強いることではなく,責任を持ち合うということです。宿題をやってこない子がいたら,先ずはそれを許した上で,どうカバーするかを目指す責任があるのです。各自の長短所を個性として容認し,重ね合わせることで班としての責任を全うする,それが班学習によって育てられる協調関係です。支えられると同時に支える,その確かなつながりが,人に安心感をもたらします。



 子どもたちの集団は同世代中心であり,さらに,一度集団から外れると,集団に戻れない子どもが多くなっています。気を配ってやらないと,人間拒否に逸れていきます。小学校3年生の女子が,クラス分けで仲良し3人と別のクラスになりました。直後は,他のクラスに遊びにいっていましたが,やがて「あなたのクラスは違う」と拒否されるようになりました。仕方なく自分のクラスに戻ると,誰も相手にしてくれなくて,自分の居場所がなくなっていました。家の中に閉じ込もり,母親や大人としかつき合えなくなります。

★落書き★

 日本最高の山は富士山で,世界最高峰はエベレスト山8848mです。では太陽系での最高峰は? 火星のオリンポス山の標高は26,000mでエベレストの3倍です。裾野の距離は550km,山頂のカルデラは直径70km,深さは3.2kmで,富士山がすっぽりはまってしまいます。もっとも,火星に海があったら,少し違ってくるはずです。

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