*** 子育ち12章 ***
 

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「第 93-04 章」


『子育ちは 互いを信じ 頼り合い』


■子育ち12志向■

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『子育ち第4志向』

【他者に感謝しよう! 信頼確保】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第93版では,こどもが幸せに生きる力を目指すとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,生きる喜びを身につけて欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せに生きることであるということを確認しておきたいと思います。

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《他者に感謝できる》
 和食が世界文化遺産になりました。その特徴は,「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」「栄養バランスに優れた健康的な食生活」「自然の美しさや季節の移ろいの表現」「正月などの年中行事との密接な関わり」とされています。文化と言う以上,人との関わりについての特徴が大切です。和食は,明らかに他人を信用しています。作る人と食べる人をつなぐ絆として,和食は中間の位置に置かれています。和食は完成の一歩手前で出され,味付けなどの食べる側による完成の余地を必ず残してあるからです。
 洋食は作る側が完成してしまい,食べる側に有無を言わせず味を押しつけてきます。食べる人に手出しをさせないのは、信用していないからです。和食は食べる人の決定を尊重することにより,相手への思いやりが届けられます。だからこそ,それを「いただきます」と受け取り,自分の存在を認めてくれていることへ感謝できるのです。人を結ぶ絆はお互いに手を出すことによって結ばれます。一方だけがぐいと手を突き出して捉まえると,それは支配的な関係になります。和食に馴染むことで,信用と感謝の関係を結びましょう。

《信頼確保》
 子どもは保護される存在です。そこで,自分の存在性を保持させるために,保護者である親に嫌われないように気配りして暮しています。親の目の前ではいい子ぶっているのも,子どもとしての生きる術です。ただ,その防衛的な取り繕い方が過ぎると,緊張・ストレスに耐えきれなくなったり,あるいは分ってもらえなかったりすると,逆にストレスの元を絶つということで親との関係を拒否しようとすることもあります。気を遣いすぎると疲れるのは,大人だけではありません。
 子どもが親に嫌われるかもしれないと思うのは,失敗や過ちを犯すことです。親が寄せている期待を感じるから,それに応えられないと嫌われると感じています。サザエさんの弟のカツオが答案を隠しているのも,叱られて嫌われるのが嫌だからです。少々の失敗をしても嫌われることはないという信頼感が交わされていたら,自分を隠す必要がなくなり,気持ちが安らぎ,存在が安定します。失敗を許される,叱られても嫌われない,さらには,好かれていることの確認が大切になります。親からの信頼メッセージを伝えましょう。



 ある父親の述懐です。「私の両親は小学4年のとき離婚し,以来ずっと父子家庭で育った。父がたった一つ,私に課したことは,どんなに遅くなっても夕食を一緒に食べることであった。今思えば父なりの命のバトンタッチであったかも知れない。おかげで私はぐれずに済んだ」。親子は基本的には命をバトンタッチする間柄です。命というものの本質を命の連鎖という最も自然な形で確信するための絆です。命の大切さという言葉の理解を超えて,心底命を愛おしむことができる人に育てることが,親の務めです。

★落書き★

 出かけるときに,ハンカチは持った? と言われています。大きいものや小さいものはありますが,形はみんな真四角です。長方形のものが欲しくても見当たりません。18世紀のヨーロッパでは,長方形は当然に,丸形や三角のハンカチがあり,刺繍や飾り付けることが流行っていました。その種類が多いことを煩わしく思ったのか,1785年,マリー・アントワネットが夫のルイ16世に「我が国のハンカチは全て正方形にすべし」という法令を出させたことから,これが世界中に広がっていったということです。

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