*** 子育ち12章 ***
 

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「第 93-06 章」


『子育ちは 語り掛けられ 聴き取りで』


■子育ち12志向■

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『子育ち第6志向』

【知識を活用しよう! 共生推進】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第93版では,こどもが幸せに生きる力を目指すとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,生きる喜びを身につけて欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せに生きることであるということを確認しておきたいと思います。

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《知識を活用できる》
 第二の母乳を与えるのは,お母さんです。心の母乳ということもできるもの,それは言葉です。お母さんは,赤ちゃんに分かるはずもない言葉を語りかけています。語りかけは1対1が基本です。子どもが読み聞かせを喜ぶのは,自分に向かって言葉を届けようとしてくれるからです。おっぱいから呑んでいるのは身体の母乳ですが,耳で聞き取る言葉は子どもにとっては物心の母乳です。ものの考え方,感じ方などといった心を育てる総合食です。
 言葉にも子どもの成長に合わせた特徴があります。幼いときは母乳語で,具体的な物事に結びついた言葉が中心になります。育ってくると,離乳語として,抽象的な物事を表す言葉が増えていきます。おとぎ話仕立てで味を付けてあげると,食べやすい,いや,聞きやすくなるでしょう。世界の細部を言葉で表していくと,言葉によって世界のイメージを再現することができます。机といえば,誰の頭にも机がイメージされます。それが知識の活用の準備になります。母の語りかけが豊かであれば,想像力や応用力が育てられます。

《共生推進》
 テレビが子守をしてくれます。赤ん坊がTVを見ながら声をあげて喜んでいます。お母さんは手が離れて助かっています。やがて,赤ちゃんは,自分の意思をTVの人に伝えようとしても,TVは反応してくれないことに気付きます。結果として,人に話しかけても無駄であることを学びます。当然に,自分も外部からの働きかけに心を閉ざしていくようになります。自閉症に近い症状が,TVに子守をして貰った子どもに多いといわれます。人は反応してくれませんが,ゲーム機は反応してくれます。ゲーム機が友達になります。
 自分の思いや考えを伝えるために言葉を発するのが,人になる始まりです。伝えるということは,相手が言葉に反応してくれることです。そこに人間関係が成立し,共感の種が育まれて,共生という人間社会が構築されていきます。しかしながら,テレビに馴染んだ言葉遣いを覚えた子どもは,誰に向かっているのでもなく,言葉をばらまくだけです。言葉に向きを付けないので,相手を意識した気配りはしません。いきおい,感情むき出しの言葉になって,関係はとげとげしくなります。人付き合いが苦手な理由は言葉遣いです。言葉遣いは人としての品性を醸すようになります。



 空腹を抱えた子どもが,夕方6時,もうすぐ夕食というときに,「ねえ,クッキー食べたいよ」と言ってきます。どこの家でも,「だめ,もうご飯なんだから,お菓子ばっかり食べちゃだめ」という返事が出てくるでしょう。ところで,少し言葉を換えてみましょう。「そう,おなかすいたの! クッキーおいしものね。でももっとおいしいものもあるのよ。ちょっと待ってね」。空腹という事実を認めて貰えるだけでも,子どもは満足します。拒否する言葉ではなく,心を受け取ってやることで,共生関係を整えることができます。

★落書き★

 何か事件や騒動が起こると,周囲には物見高い野次馬が集います。野次馬とはどういう意味があるのでしょう。野次とは? 馬とは? 元は親父馬が詰まって転化したもので,歳を取った馬という意味です。歳を取った親父馬はただ若い馬の後をついていくことしかできず,役に立たないからと考えられています。無意味に騒ぎ立てるだけの群衆をさげすむようになりました。さらに転じて,野次を飛ばすなどに転化した言葉もできました。

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