*** 子育ち12章 ***
 

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「第 93-08 章」


『子育ちは 人とつながる 意識持ち』


■子育ち12志向■

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『子育ち第8志向』

【社会に貢献しよう! 役割把握】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第93版では,こどもが幸せに生きる力を目指すとはどういうことかを考えておきます。こどもには幸せであってほしいと願いますし,幸せに生きていくことができるように育ってほしいものです。何となく育っているのではなく,生きる喜びを身につけて欲しいのです。これまでの羅針盤がどこを目指しているのか、それは幸せに生きることであるということを確認しておきたいと思います。

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《社会に貢献できる》
 子どもは子どものペースで生活をしていて,家庭生活をしていないかもしれません。それでも,家事手伝いの効用を見直したいものです。買い物をして調理をして配膳するまでの間のお手伝いは,自分の食べたいという欲求に添うものですから,子どもは納得しやすいでしょう。食事の後の片付けは,自分にはなんのメリットもなく面倒なことなので,したくありません。どうして私がしなければならないのかという理由を求めます。後始末をさせないままだと,自分のことしか考えない習性が育ちます。
 後始末は,次の生活への準備になります。家族の食事は毎日の繰り返しですから,今日の片付けが明日につながっていきます。仕事はつながっている,そこで段取りや計画性が必要であるという経験が,お手伝いの中に込められています。一つの行為は次につながっているという発想が,最後までやり遂げるという責任感につながり,共に生きていることへの信頼を生みます。若者が言われたことしかしないという指摘は,先を読んで仕事をしていないということです。家庭の暮らしの中で,つながり体験をしていないからです。

《役割把握》
 ある学生がゼミをあまりに休むので家に電話をします。母親が出てきて,「今,息子はアルバイトに行き,夜にしか帰りません」と臆面も無く言い放ちます。大学生のアルバイトはゼミに優先するものという考え違いがあります。大学で学ぶチャンスを私物化しています。大学で学ぶ立場にいるということは,学んで社会に生かす義務があるのです。それが不合格になった人を押しのけて合格した者の責任です。ゼミにでないということは,大学で学ぶ椅子という社会資源を無駄にしている無責任です。自分の役割の放棄です。
 教室で子どもたちが掃除をしています。掃除をしている子ども,していない子どもがいます。納得してしている子ども,教師の目が恐いから仕方なくしている子ども,全くする気がなくてしない子ども,納得していてもしない振りをしないと仲間外れになるからしていない子ども,外見からは区別がつきません。自分の役割を自分勝手に拒否したり放棄したりしても構わないという経験を重ねると,身についてしまいます。自分の役割,社会的な立場を弁えた行動ができなければ,生きていく世間を自ら狭めていくことになります。



 朝出掛けるときに,空を仰いで,天気観望をしませんか。今日の雲の動きはテレビで見る衛星からの雲の映像であり,自分の頭上の雲は見ないようになっていませんか。天気は西から変わっていきますので,西の空に雲があれば天気は下り坂ということになります。日の出を見たことがないという子どもがいます。わが家の東はどちらかということが分かりません。電子機器に頼るだけの生活ではなく,自分の感覚を生かす暮らし方が人の生きる力の源です。

★落書き★

 年末になると,NHKの紅白歌合戦の出演者が話題になります。その中で,トリを務めるのは誰かという関心も湧きます。ところで,トリとはどういう意味があるのでしょうか? 日本の話芸である落語の世界で,寄席が開かれた日の最後の演目を務めた演者が、その日の売り上げを「取り」上げ,そこから他の演者に対してギャラを分配していました。このそれぞれを「取り」と「割り」と言っていました。最後の演者=トリの人気が売り上げに貢献していたのです。この言葉が落語以外の場面にも使われるようになったのです。

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