*** 子育ち12章 ***
 

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「第 97-06 章」


『子育ちは 昨日と明日を 繋ぐ今日』


■子育ち12鍵語■

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『子育ち第6鍵語』

【過去・未来】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第97版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,思考を開く鍵となる語を使って育ちの状況を展望していきます。今現在それぞれの育ちの度合いに違いがあってもそれは個性になり,達成度の評価ができるなら,幸せに育っていると考えることができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。

《過去・未来とは?》
 人は暮らしの中で言葉を使っています。言葉には書き言葉と話し言葉があります。書き言葉は読み言葉と対になって,文章を構成し,さまざまな媒体により,代表的なものが図書館に集約されます。書き言葉を使うのは過去ですが,それを読み言葉にするのは現在です。さらに,書き言葉を現在使っているなら,それを読み言葉にするのは未来です。書き言葉は,難なくタイムスリップをする能力を持っています。人の寿命を遙かに超えます。平安時代の源氏物語が現在も身近にあるのは,書き言葉を読み言葉に変換できるからです。

 書かれた文章は不変不滅です。読み言葉になるときに,読む時代の意味として伝わるので,多少の揺らぎは避けられませんが,本筋を逸脱することはありません。言葉を駆使する力を獲得して,人は知恵を継承・蓄積できるようになり,世代を重ねるごとに発展するという,知恵の膨張が起こりました。生活面では,時代と共に便利に安全になるという文明化が実現しました。知恵を生み出す思考は言葉に依存します。生き方という文化の成熟も,豊富に蓄積された言葉に紡がれた思想に導かれます。

 人が人生という時間を意識できるのは,言葉に過去形,現在形,未来形を作り上げたからです。過去・現在・未来を一つながりに思考できる力は,「○○した」という言葉遣いをすることで,過去を意識できるからです。「○○しようとしている」と語ることで,現在に続く未来を意識できます。つながりをベースに思考を進めると,物事の因果のつながりに気がつきます。こうしたからこうなっている,その見方が論理思考を産みだして,科学に結実していきました。はじめに言葉ありき,その発見は大きな知恵です。



 一人っ子政策を押しつけていた中国で,親が一人っ子であるという条件で二人目の子どもを産むことができるようにしました。ところが,一人娘が,弟か妹を産むなら,私は自殺すると親を威かす例が出ているそうで,親は中絶したそうです。あるいは,あなたが一番という証文を書くなら,産んでいいということもあるそうです。私が一番という自己中が育成されて,小皇帝,小公王と呼ぶ言い方があるそうです。個人の幸せを求めることが自己中への権利ということでは,考え直すことも必要です。日本でも少子化が進んでいます。子どもは未来の主役なのですが。

★落書き★

 食べ合わせが悪いという言い伝えがる中で,大根と人参は相性が悪いと言われています。確かに人参は大根の栄養を台無しにしてしまいます。大根おろしと人参おろしを混ぜた紅葉おろしにすると,大根のビタミンCが大幅に減ってしまいます。ただ,酢やレモンを加えると,ビタミンCの破壊を防ぐことができます。そこで,おせち料理の大根と人参の紅白なますが酢で和えてあるのは,理に適っているのです。鍋物で紅葉おろしを使うとき,別にしておいて,スダチやポン酢を加えながら合わせるようにしましょう。

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