*** 子育ち12章 ***
 

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「第 97-09 章」


『子育ちは 命の希望 追い続け』


■子育ち12鍵語■

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『子育ち第9鍵語』

【美】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第97版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,思考を開く鍵となる語を使って育ちの状況を展望していきます。今現在それぞれの育ちの度合いに違いがあってもそれは個性になり,達成度の評価ができるなら,幸せに育っていると考えることができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。

《美とは?》
 人は何かを追い求めて生きています。その何かの一つに,美しさという観念があります。若者がファッションに関心を持つのも,着飾って美しい自分でありたいと願うからです。若々しさが醸し出す美しさに憧れて,アンチエージングのトレーニングに励むこともあるでしょう。ところで,美しさを思い描くとすれば,その代表に花の美しさをあげる人が多いことでしょう。どうしてでしょう。色鮮やかだからでしょうか。でも,絵の具箱には美しさはありません。

 人が感じている美しさは命なのです。花とは,植物が受粉をするために昆虫に助けを求めているメッセージです。命を伝達しようという植物の願いの象徴である花,その願いに共感する心情を,人は美しさと表現しているのです。命がその姿を花を通して最も表現しているから,花=命=美しさという連想が出来上がります。人も子どもを産む成熟の時期に美しさを発散します。動物の雄が色鮮やかに装い,声豊かに歌い,命の伝達にひたむきになる美しさを見せてくれるのも,生きるものが共有する命の願いなのです。

 「人を殺してみたかった」,「どうして人を殺してはいけないの」。若い被疑者の問に,答えられない無力さを感じているかもしれません。この問は,言葉で理解する質のものではありません。心底で命を感じとるものです。それは美しさを感じる能力が必須です。美しさを感じ,美しさを愛おしむ,そこに人の命の尊さに届く道が拓けます。子どもたちに,身近にある美しさを感じる育てを十分にしてこなかったと反省しなければなりません。例えば,美術の時間は,受験には無関係ですが,人生における希望を学ぶ必須科目なのです。



 人は独りで生きていくことはできません。日々誰かと関わり世話になり世話をして,かろうじて生きています。人が共に生きるためには,生き方に同一性が無ければなりません。そうでなければ,人と人はすれ違い衝突が絶えなくなります。円滑な社会生活を平和裏に代々続けていくためには,さまざまな物事・出来事を選び取る共通の物差しが必要になります。良いことと悪いことを区分けし,良いことが社会に必要なこと,悪いことは社会に無用なこと,そういう了解が生きていく上で大切なことです。

★落書き★

 お子さんを連れて動物園に行くとき,見物する時間は何時頃でしょう。昼下がりであれば,その時間は動物の活動が最も落ちる時間です。お昼の餌を食べてお腹いっぱい,少しお休みという気分になってしまうからです。動物の元気な姿を見せたければ,晴れた日に早起きをして開門と同時に入るのが一番です。動物も眠って疲れが取れているので表情は生き生きしているし,狭いオリから外へ出れば,自然と活動的になります。もっと元気の良いところを見たければ,休園日の翌日の朝が良いそうです。動物たちも休日をゆっくり過ごした翌日は最も元気なのだそうです。

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