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「第 97-11 章」 |
『子育ちは 生きていく明日 選びつつ』
■子育ち12鍵語■
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『子育ち第11鍵語』
【養育】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第97版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,思考を開く鍵となる語を使って育ちの状況を展望していきます。今現在それぞれの育ちの度合いに違いがあってもそれは個性になり,達成度の評価ができるなら,幸せに育っていると考えることができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。
《養育とは?》
子育ちと子育て,それは不可分のものです。育とうとする必要状況と,育てようとする十分状況ががっちりとマッチングしなければ,育成は成就しません。馬を水辺に連れて行っても,馬が水を飲む気がなければ,動作は完成しないと例えられています。自分の成長をもう一人の自分が願っているから,子育ちが成立し,養育活動が進展します。また,育ちは自分の可能性を拓いて実現していくものです。もう一人の自分が自分の未熟さをきちんと見極めることによって,育ちが始まります。
子育ての場で,「一々言わないといけない」という言葉が聞かれます。一方で,一を聞いて十を知る,という言葉もあります。一々言わなければならないのは,もう一人の子どもが育てをしていないからです。もう一人の子どもが一を聞いて,後は任せてとなると,言わなくても子どもは育っていきます。子育てをしている親は,もう一人の子どもに働きかけて,子育てを任せていくようにしなければなりません。もう一人の子どもを無視して直に子育てしようとするから,一々言わなければならないのです。
子育ちは失敗をすることから始まり,反省を経て,学習という知恵を取り込んで,挑戦していくプロセスと,これまでにお話ししてきました。失敗したことを親が咎めているから,もう一人の子どもが育ちの機会を失っています。失敗をしたことを他人に言われる前に,もう一人の子どもが反省へとつないでいくようになれば,育ちが進んでいきます。たいていの失敗には目をつぶって口出しせずに見守るというのは,もう一人の子どもに育ちを任せていくための方便なのです。養育の在り方を問い直してみてください。
育ちは自分の未熟さに気付かなければ始まりません。自分は何でもできると思っていても,それは経験してきたことからはみ出していないからです。未経験なことはこの世界に山ほど在ります。育ちを促すためには,子どもに新しい経験の場と機会を与えることが必要です。例えば,学校教育の場では,学年毎の課題が計画されていますが,それは,子どもに新しい経験をさせて,まだまだ未熟であることを思い知らせることで,育ちを促すという意味があるのです。教育とは新しい経験を与え続けることです。
★落書き★
ミッキーマウスは1928年に誕生しましたが,その当時は黒い素手のままでした。やがて,白手袋をするようになりました。その理由は謎ですが,研究家たちは,白手袋はミッキーマウスが人格を持つキャラクターであることを示すシンボルとみています。白という色には,清潔という意味合いと,文明の象徴という意味が込められていると解釈している人もいます。ほかにも,グーフィーやクララベル・ガウなど,白手袋をはめたキャラクターが少なくありません。
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