|
「第 99-07 章」 |
『子育ちは 共に生きてる 私たち』

■子育ち12美醜■
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第7美醜』
【正義】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第99版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を特徴付けるキーワードとなる語を選んで育ちを展望していきます。ただ構成上に変化を繰り入れます。奇数号では美しい育ち,偶数号では醜い育ちという配置をします。育ちがずれていかないためには,避けるべきことにも目配りをしておくべきです。予め注意すべきことを知っておくと,安心することができるはずです。
《正義とは?》
正義とは,「道理にかなっていて,正しいこと」と辞書にあります。ところで,道理とは,「世間で正しいと認めた,行いの筋道」とあります。みんなが正しいと考える行動のシナリオということでしょうか。子どもにとって,みんなとは親が肩代わりすることになります。世間の正しさを教えてくれるのが,親からのしつけになります。その親から譲り受けた正義も,近所の人や先生の正義と摺り合わせることが必要です。多様な世間にはそれぞれに染まった正義が生じやすいので,修正し続けなければなりません。
正義,正しさということを特別なものと思わないようにしないと,生き方に隙が生まれます。いじめっ子に「止めろ」と言うことが正義だと,特別に扱うことは止めましょう。いじめをふざけているだけと言い逃れるのは,冗談にも程があるという正しさの目安をしつけられていないからです。いじめられている子に、そっと寄り添って一人ぼっちにしないという行為も,立派な正義なのです。いじめで自殺した子どもは,ほとんど一人ぼっちに追い込まれています。いじめから救われた子どもは,寄り添う友達が一人いたのです。
さまざまなハラスメントやクレーマー,果てはストーカーという事象が現れるようになったのは,私の正義を持ち出してもいいという錯覚に陥っているからです。個人を大切にしようとする思いが,意識しないまま道理を自分流にねじ曲げています。昔は他人様の目,世間の目という意識を通して自分に道理を組み入れていましたが,自分の世界に引きこもりがちの現在の人は,道理を意識して取り入れるように努めなければなりません。正義とは私たちのものであり,私たちという感覚を持つことが必要なのです。
「ブス」とか「バカ」とか,傷つく呼び方で呼ばれたことはありませんか? 他の用事で会えなかったりすると,自分を最優先にしないといってふてくされたりしますか? しょっちゅう携帯に電話してきたり,あなたがどこで誰と会ってるかひどく気にしますか? こういったことがあるのが,デートDVです。男の貪欲さがなせることです。自分の支配する世界にすべてを取り込んでしまおうという歯止めのなさが,子どもの将来に現れないようにしておきましょう。
★落書き★
米国のトップはジャイアン,いやトランプ大統領です。この大統領とは英語のプレジデントの日本語訳です。その訳のきっかけは,1853年のペリーの来航の折です。フィルモア大統領の親書を携えて浦賀に来航しました。このとき幕府の役人たちは「プレジデント」をどう訳したらいいか悩みました。米国の政治制度も知らず,しかも民主的に選ばれる権力者も存在していません。当初は「国王」にしようという案もありましたが,町人出身のフィルモアを王位で呼ぶのはいかがかとの意見もあり振り出しに戻りました。町人で一番偉いのはとなり,選ばれたのが大工の頭である「棟梁」,そのままというわけにもいかず,字を「統領」に置き換え,将軍に釣り合うように「大」を冠したのです。
|
|
|