《第4章  結びの章》


 青少年の育成は大人が子どもに人の温もりを手渡しで伝授する営みです。手を離すと心はすぐに冷えてしまいます。人としての火種をともし,大人が見守ってやることが大切です。そのとき自分の心を測る物差しがあれば,親も子も道に迷うことはないでしょう。日々の暮らしの中で今自分の心が冷えているか,温まっているか,9つの基準で判定することができます。
 生涯学習の時代になりましたが,学習とはあくまでも手段にすぎません。目的がなければただの暇つぶしです。自分の心の平熱をより温かくするという目的を自覚しておかなければなりません。そのためにも自分の心の平熱を把握しておくことが必須です。
 青少年の育成も,生涯学習による自己育成も,いずれも豊かな心を持とうという自己実現という意味では同じものです。
 子育て心温計は,親と子,大人と子どもの心の育ちを支える指針なのです。