【第3章】対話の感動

〜あなたのお子さんは,正しく話していますか?〜

 《3.3》 言葉は,育ちにどのように関わっていますか?

 人は言葉で物事を考え,脳の配線ができ理解し,人間らしくなります。山川草木に名前をつけて区分けすることで自然が分かります。分かるとは言葉で分けることです。さらに思いやり,勇気,正義,ガンバルなどの概念は目に見えない抽象語として意識化され,対話の中で実行可能な形に意味が磨かれ,伝達可能な力を付与されていきます。人類の歴史が物心ついたのは「始めに言葉ありき」と自覚できた時からです。
 最も多くの親がしつけが悪いとイメージする子どもは,言葉づかいの悪い子どもです。言葉づかいが悪いと,社会生活での人間関係に齟齬をきたします。他方きれいな言葉づかいができると品格が漂います。言葉は人間性のリトマス試験紙になります。

答 「人は言葉を覚えたとき,物事を理解し,感動し,伝える力を獲得できます」