【第5章】可能性の開拓

〜あなたのお子さんは,生きようとしていますか?〜

 《5.4》 生きる幸せは,どうすれば自覚できますか?

 幸せになりたいという思いが,子どもにとっては育ちの意欲です。人はどういうときに幸せを感じるのでしょうか。「ベッドについたとき,あくる朝起きるのが楽しみな人は幸福な人だ」とヒルティが教えてくれます。「今日も終わった,寝るだけが楽しみ」では,幸せの実感はありません。明日の楽しみとはスルコトがあることで,シナケレバナラナイコトは苦痛です。言われるのではなく,もう一人の自分がしようと思うことが大切です。
 ガンバルとは今日やりかけていることを明日も続けることと考えると,何かに向かって努力しているときが一番幸せな状態だという感性が必須です。物事をやり終えたときには充実感はありますが,一抹の虚脱感も潜んでいます。明日が消滅するからです。子どもは今現在は弱くて未熟ですが,だからこそ明日に向けて育ちというスルコトがあります。異年齢の中で育てば,昨日の自分より今日の自分が育っていることを実感でき,明日の育ちを具体的な目標として目の前に見ることができます。

答 「楽しい明日が見えていることが,生きる幸せを自覚させます」