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【第19章 社会教育関係団体等連絡会議の転進(2)】
第15章で「社会教育関係団体等連絡会議の転進」について述べておきましたが,その一部が少しばかり動きましたので,ご紹介しておきます。
関係団体のまちづくりに向けた活動への協力を以下のように提案したことは先に述べておきました。再録しておきます。
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具体的な共同行事の提案をしてみようとしました。各団体では美化作業という活動を行っていることに目を付けたのです。美化作業の内容が実際には清掃作業であることから,もう一歩進めることを考えました。清掃するだけではなく,花を植えることで文字通りの美化にしようということです。提案の枕には,2005年から「持続可能な開発のための教育の10年」とするという国連総会の決議を据えました。地域づくりの具体的活動に団体が参集できて,賛同を得られるものと考えたからです。
美化作業への提案では,期日を決めて一斉にという形は団体毎の事業の趣旨から無理があるので個別に実施することにして,どの団体でも花を植えるという作業を適当な規模と場所でやって頂くということをお願いしました。もちろん口だけで,金もモノも出さないという厚かましい提案です。その点が隘路になりました。花を植えるといっても,苗はどうするのか,そんな予算は無いということです。美化活動をするにしても先立つものがない,もっとも現実的な壁を立ち上げられました。
苗を準備したから植えてくださいというお膳立てが必要なのです。協力をすることはできるという受け身の姿勢が強固です。あくまでも自分たちの活動と意識して実践に取り組んで欲しいのですが,そこまでの気運が未成熟のようです。大々的に取り組まなければ意味がないという思いがあるのかもしれません。規模についてはできる範囲ですればいいと提案しているので,前向きに考えてもらえたらいくらでも方策はあるはずです。
連絡会議で申し合わせをして,各団体が共同歩調をとることができれば,一つの事績が生まれます。その意図を実現する働きかけは今後も続けていくつもりです。
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美化作業に対する社会教育委員からの提案を,一年後に再度協議の場に持ち込むことにしました。最初は唐突であったこともあり提案されても急には結論を出せないこともありましたが,二度目となると,少しは聴く耳も開かれるでしょう。さらには,提案の方法も注意深く検討されました。
(1)具体的なイメージづくり
社会教育委員の会で作業をして,孟宗竹の一節を使った花鉢を作り,花を植え込んだものを作成しました。ただ花を植えましょうでは,メッセージが曖昧であったという反省から,実物見本を考案しました。
6月の「生涯学習研修会」の折に,会場玄関にずらりと並べておき,さらに研修会の進行の中で出席者に簡単な趣旨を説明し,注意を喚起しておきました。団体組織でも取り組んでくださいというお願いを付け加えておきました。研修会終了後に,この見本は町内にあるJRの4つの駅と小学校,中学校各1校に飾ってもらいました。駅の方でも歓迎されて,花が枯れたら植え替えていただけるようでした。
(2)できることから
8月の連絡会議には各団体から3名の出席をしていただきます。そこで,各人に見本を差し上げて,自宅の玄関などの道側に掲げてもらうことを提案することにしました。さらに植え替えるために,社会教育委員の会と社会教育課のやりくりで,10月,12月,2月に,花の苗を準備するというフォローをすることにしました。役場の他の部局で花の苗を配っている事業があり,そこにつなげることも今後の必要な取組になります。
(3)提案の結果
連絡会議の当日は,見本を提示し,とりあえず,出席者が各自の家庭で「美化事業」を実践してみませんかという提案をしました。案ずることもなく「やってみよう」という一声が上がり,すんなりと受け入れてもらえました。各団体の役員であるので,団体としてどのような形での実施が可能か,検討してもらうことを約して,第2段階はクリアできました。来年2月に開催予定の連絡会議で団体の最終的な判断を確認することにしています。
会長として,次のようなコメントを追加しておきました。
【まちづくりは,みんなが「わざわざ」することによって可能になります。「もったいない」という言葉が国際的になろうとしていますが,もったいないはどちらかといえば「守り」の言葉です。わが町では「わざわざ」という言葉を再生してはという提案です。前向きに行動することになるからです。しなくてもいいこと,する責任のないことをわざわざするから,喜ばれます。その総体がまちづくりだと思います。皆さんが一歩進んだ美化活動に取り組もうというご了解を感謝いたします。】
《今後の取り組み》
具体的な提案をぶつけていく中では,その目的を意識しておくことが大切です。それは,社会教育団体の責任という視点です。単なる好き者の集まりではないという自覚を促すことです。少なくとも,社会教育団体として補助を受けているということに対してどう責任を果たすかという課題があるはずです。そのことに気付いてもらうことが最も大きな取り組みになります。まだまだ提案の仕上げ作業は続きます。
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