*****《親と地域とのつながり》*****

【第4章 地域の活動】

 家庭教育を支えたり補完する役割を課せられている地域は,親からどのような評価を受けているのかについて,調査結果を見ておきます。

1.地域活動の実態(3)

○PTAの地域懇談会などの活動について,親の評価は,
地域懇談会の評価グラフです
 居住して1年程度の親には地域にまだ慣れないために,PTAの活動は唯一頼りになる参加機会です。そんな親の期待に応えられていないようです。地域にとけ込む機会としてもっと充実させていく必要があるでしょう。

○有害図書追放など健全な環境づくり活動について,親の評価は,
有害図書追放の評価グラフです
 有害図書追放に対する関心は一般にそれほど強いわけではなく,また日常的に頻発する問題でもないために,目に付きにくい活動です。地域に目を向けるようになると活動の意味も理解できますが,例えば有害図書の自販機が見あたらないのは誰かがやってくれているのだろうといった程度の評価でしょう。

○交通安全や街頭パトロールなどの活動について,親の評価は,
安全活動の評価グラフです
 居住年数を重ねていくにつれて交通の危険個所や補導面での問題場所に関する情報が豊かになり,活動の漏れが見えてくるようです。子どもとの直接的な関わりのある活動には関心が高く,評価も厳しいものになっています。

 居住年数による評価の変化は,親の地域への期待が高いほど厳しく,地域に慣れて実状を知るほど厳しくなっていきます。「活発ではない」という評価が,それなら自分たちで盛り上げなくてはという意欲に転換していけるといいのですが,そのためには地域の活動組織に人材を送り込み運営の変革をもたらす必要があります。生涯学習の時代は,その指導者を地域が育て上げる時代だと共通理解すべきでしょう。地域は自分たちの地域なのですから。