*****《中学生とその親の関係の推移》*****

【父親と母親】

15.しつけの自信?

しつけの自信のグラフです 1.大いにある
2.まあまあある
3.あまりない
4.まったくない

 「しつけに自信がある」親は,初回,前回,今回と比べると,それぞれ父親が73.3%,61.3%,57.1%,母親が62.4%,60.6%,53.2%であって,かなり減少し続けています。
 男女別では,父親が男子に57.7%,女子に56.5%,母親が男子に52.9%,女子に53.3%であり,違いは見られません。
 学年別でも,系統的な違いは見られませんでした。
 家の相談を持ちかけたり,積極性を認め,殴りたいとは思わない親は,しつけの自信を持っています。またしつけの学習をしている親ほど自信を得ている傾向がありました。

 しつけの自信は,父親では平成5年に,母親では平成10年に落ち込みが現れています。しつけの自信は社会とのつながりに安定感を感じているかどうかに左右されますので,不安定な社会状勢に直接つながっている父親が早く自信を失っていると考えられます。この自信のなさが子どもに対する関心を薄れさせ,子どもとの関わりから身を引かせている原因です。
 親としての情を封印しても,保護責任を断ち切るわけにはいきません。心情から生まれる本能的子育てではなくて,クールな関係に落ち込み,ベストな子育てをしなければという責任に突き動かされて,子どもを指導者として管理するといった理性的しつけにシフトしています。この傾向は今後もさらに進行することになるでしょう。