***** 《ボランティアの窓》 *****

【熱き心で・・・】

《結の章》

 ボランティア活動をはじめようとされる方には,どの章も十分に当たり前のことであったはずです。ただこれまではあまり意識をしてはいなかったでしょう。これからはそうしようと気に掛けながら実行をしてください。自分のボランティア活動へのかけ声として,また確実にやり遂げるチェックとして,役立ててくだされば,きっと相手の方にも喜ばれることを請け合います。
 ボランティア活動は形の上では手助けにすぎませんが,人のぬくもりを届けることが本来の仕事です。皆さんの心のぬくもりを少しばかり強めにしておかなければ,そばにいる人には届きません。お化粧でたとえれば,普段はほんのりとした化粧でもよいのですが,舞台に上がって人様にお見せする場合にはかなり濃い化粧にしなければなりません。同じように人に奉仕する心は,普段より熱めにしておく方がよいでしょう。それが,この心得を意識しておいてくださるようにお願いする理由です。

 ボランティア活動は人が生きていくすべての領域に関わることですから,多種多様な形式が生まれてくることでしょう。組織としてのNGO(非政府組織)活動の広範な活動がそのことを表しています。しかし,いずれにしても自分の身近にいる人を助けることが出発点です。その活動が進んで行くにつれて,人の輪がつながっていくだけです。はじめから大層なことを背負うという気負いは必要ありません。
 手助けできたときのうれしさ,相手の方の笑顔を頼りに一日一日をつきあっていけば,それで十分です。一人では大したことはできなくても,人の喜びがつながっていけば,社会としての大きな感動が自然に育まれていきます。ボランティアネットワークは,失われた地域社会を再生するはずです。どうぞ夢を持って,ボランティア活動の世界に飛び込んでいただけることを心よりお祈りしております。