***** 暮らしの雑学 *****


●「食事に時間をかけるとよいという理由は?」

 時間を掛けて作った夕食を,家族はあっという間に食べ終えます。せっかく作ったものなので,少しは時間を掛けて味わってほしいと思いますよね。それとも,早く食べてくれないと片づかないなんて思っていたりして・・・?

 食べ終えた後,ふくれたお腹を叩いて満腹したと言うことがあります。実は胃がそれ自体で満腹とか空腹を感じているわけではありません。脳の視床下部の内側に空腹中枢があり,その外側に満腹中枢があります。空腹中枢は血液中のブドウ糖の濃度が10デシリットル中120グラム以下になると空腹を探知し,その信号がより上位の脳の部分に送られて,はじめて空腹が確認されます。

 ところで,この血糖値が上昇するのは食事後30分から60分で最高になります。食べる時間と血糖値が最大になる時間には,このようなかなりのズレがあるのです。

 早食いをしていると,血糖値が上がらないうちにたくさん食べてしまい,満腹中枢が働いたときはすでに食べ過ぎてしまうのです。食事に時間を掛けるということ,あるいは腹八分目にするということ,適量を食べる知恵なのです。ママはちゃんと分かっているんですね。