***** 暮らしの雑学 *****


●「餞別を貰っておみやげを買ってくる理由は?」

 ママがお出かけをすると,おみやげを買ってきてくれます。家族で出かけたときなど,ママはいっぱいおみやげを買うので,運び役のパパが大変です。どうしてよその人にまでおみやげを買ってあげるのか不思議です。おみやげは私だけに買ってくれているんではないみたいで,ちょっぴり寂しいです。

 みやげは元々「宮笥」と書かれて,神社の御札を貼り付けた板のことだったのです。昔の旅は,お伊勢参りなどの宮参りでした。旅の途中には悪霊が待ちかまえているので,選ばれた男たちしか行けませんでした。出かける際には水盃を交わし,男たちに賽銭を渡し,自分の祈願も依頼しました。それが餞別です。

 男たちは餞別で依頼を受けた者のために宮笥を買って帰りました。これがおみやげを買う習慣の始まりでした。江戸時代に入って,神社やお寺の門前に土地の名産を売る「土産」屋が並ぶようになりました。宮笥に便乗した商売が,名はみやげを残して,実質は土産に様変わりさせていきました。御札より喜ばれたのかもしれません。今も昔も,花より団子なんですね。

 私はママにお餞別など渡していないのに,おみやげを買ってきてくれます。貰ってもいいのかな〜。