***** 暮らしの雑学 *****


●「お礼にアリガトウという理由は?」

 お兄ちゃんが飲んだジュースのコップをキッチンにいるママに持っていったとき,ママが「アリガトウ」とにっこりして受け取ってくれました。何だかくすぐったい感じがして変でした。でも,またしてみてみたくなりました。

 昔は,「かたじけない」と言って,「ありがたい」とは言っていなかったそうです。「難有し」と書いて,滅多に無いという意味の言葉でした。源氏物語には,「ありがたき美貌人(かたちびと)になむ」と,世にも稀なという意味で使われています。

 きわめて稀なことは神や仏の力によるものと信じられており,神仏を「ありがたし」と拝んでいました。やがて神仏への感謝の気持ちを意味するようになっていきました。時代が経って元禄時代ごろから,単に感謝の気持ちを表すようになりました。

 ママは私のお手伝いを滅多にないことと思ったのかもしれません。そう思われたとしたら悔しいな。もうしてあげない。でも,もしかしたら,天使の手伝いと思ってくれたのかも。だってママがとっても優しい目で私を見ていたんだもの。もう一度試してみようかな・・・。