***** 暮らしの雑学 *****


●「未成熟な人がブランドに頼る理由は?」

 私が新聞を取ってきてパパに渡すと,パパは「ありがとう」と受け取って,中に挟まっているチラシを抜いて新聞を読み始めます。脇に置かれたチラシはママが一枚一枚広げて見ています。通信販売のチラシも届けられますが,それはママ専用です。ときどきパパも見て,ブランドものを勧めていますが,ママはあまり関心がないようです。ママはケチなのかな?

 子どもに「君の友だちの○○ちゃんて,どんな子?」と質問して,その答えで精神の発達を見る調査があります。「○○を持っている子」と答えるのは,幼稚園ぐらいの子どもに多く,○○はポケモンのゲームやミッキーのぬいぐるみだったりで,友だちを認識する手段がものになっています。逆に言えば,自分についてもどんなものを持っているかで認識しています。

 少し年齢が上がると,「かけっこが速い子」「ピアノが弾ける子」と能力で相手を認識するようになります。さらに年上になると,「お父さんが先生をしている子」のように,家族構成によって相手を認識するようになります。さらに成長してくると,「活発な子」といったように,性格によって相手を認識するようになっていきます。

 精神が幼い子どもは,相手や自分を認識する手段としてものを使い,精神が発達するほど,より抽象的なものを使うというわけです。この傾向は大人になっても変わりません。ブランドが大好きな人が,どれくらい精神的に成熟しているか,分かってきます。「ヴィトンのバックを5つ持っています」と自慢する人は,「ポケモンカードをたくさん持っている」と自慢する幼稚園児と同じレベルなのです。

 ブランドものはいい品物だから,ママにも持たせたいとパパは思っているようですが,ブランドが自慢のシンボルに成り上がっているのが,ママにはイヤなのかもしれません。ママはもっと素敵なものを持っています。それは私! もしかしたらパパ?