***** 暮らしの雑学 *****


●「敬語で“お”をつける理由は?」

 「ミカン食べる?」って,ママが聞いてきます。ボクが酸っぱいものを嫌いだと知っていてわざと言います。ところで,お客様がいらしたときには,「おみかんをどうぞ」って言っています。同じミカンなのに,どうしておみかんになるのでしょうか?

 日本語独特の言葉遣いに敬語がありますが,その一つが接頭語の"お"です。おみかんやおりんご,おビールなどと言われます。ちょっと気取りすぎかなと聞こえますが,お菓子,お米,お茶,お水などはごく普通の日常会話にも使われています。何にでもおをつければいいというものでもありませんね。

 接頭語の"お"や"ご"は,"おん"や"ぎょ"がなまったもので,漢字の"御"の字を当てます。御者(ぎょしゃ)の言葉からも推察できるように,御はあやつるという意味があり,「あやつっていらっしゃる人」という敬意を表明する語なのです。因みに,味噌汁のことをお付けと言いますが,おみおつけとも言いますね。漢字で書けば"御御御付け"になります。付けを丁寧にお付けと言っていたのに,話し言葉ではおつけを単語と勘違いして御おつけに,さらに重ねておみおつけとなってきたそうです。

 おとうさんやおかあさん,おにいちゃんやおねえちゃんと,みんな"お"がついています。いもうとには付きません。当然ですね。なのに,おとうとにはどうして"お"が付いているのでしょう?