1月4日 乙卯 晴
江間の四郎主左金吾の御使いとして、鶴岡宮に奉幣し給う。神馬三疋を奉らる。
1月12日 癸亥 快晴
御的始めなり。椀飯以前にこの儀有り。射手十人、弓場の左右に相分れ敷皮に候ず。
金吾出御す。左近大夫将監親廣御簾を上ぐ。
射手
一番 榛谷の四郎重朝 小野澤の次郎重政
二番 海野の小太郎幸氏 佐々木の小三郎盛季
三番 望月の三郎重隆 中野の五郎能成
四番 渋谷の次郎高重 工藤の小次郎行光
五番 和田の平太胤長 同三郎朝盛
1月13日 [北條九代記]
朝覲行幸。夜城の四郎長茂謀叛し二條内裏に乱入す。
1月15日 丙寅 天晴、風静まる。
御所心経會。導師は尊暁阿闍梨。左金吾の出御例の如し。事終わって導師御馬・御衣
等を給う。源左近大夫将監親廣・江左近将監能廣等御布施を取ると。
1月23日 [皇帝紀抄]
平の長茂(城の四郎と号す。越後の国の住人)、上皇の御所に参る。また京守護人左
衛門の尉朝政(小山と号す)が宿所に乱入し、郎従等を殺害す。今日朝覲行幸未だ還
宮せざるの間なり。院中殊に騒動す。(頭書。事の起こり、関東を追討すべきの由宣
旨を申請す。然れども勅許無きの間逐電、誅せられをはんぬ。)